アメリカ_中古車売買契約解除(1)_1348

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1348回 弁護士 鈴木淳司
Jan 9, 2023

 年のはじめ、カリフォルニア州は、ほぼ雨が降っていました。
いつもは水が枯渇しているということで、水道使用制限がかかっているのですが、この数週間は雨が止まりません。
もともと地中海性気候なので冬に雨が降るのですが、今の降り様をみると、集中豪雨的な感じがして、天気の変化が晴れでも雨でも激しくなっているように思います。
人間なんて、戦争などの人的な諍いもコントロールできないのですから、天候なんてもっとコントロールできないわけです。
その天候が変わってきていることについて人類は傍観することしかできないのでしょうかね。
まるで梅雨のようなカリフォルニアですが、皆さんはお元気にされていますか。
外でのアクティビティが制限されるのには閉口しています。

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 さて、今回からまた昨年と同様に皆さんからいただいている質問を考えていきたいと思います。

いただいている質問をまとめると、「昨年、ディーラーから、「Certified Pre-Own」の車(日本でいう認定中古車)を購入しました。テストドライブのときは何も感じませんでしたが、一週間ほど経つとタバコの強い匂いがしてきて、耐えられません。家族がいうには、テストドライブした時のデオドライザーが切れたからではないかということです。この車を返却して、そのローンのまま、同じディーラーで、新車に乗り換えることで、上乗せで何か払わされるでしょうか?私は「騙された」と思っているので、私には何も過失はないと思うので、上乗せで何か払わなくてはならないものは何もない、と思うのですが。」というものです。

中古車購入も今やネットの時代

 中古車の購入というのも時代は変わってネットで売買することが増えました。
以前のような中古車を展示して売るというよりは、ネットで特定の車について連絡を取り合って見せてもらうということが一般的になりました。
売主は個人もディーラーもいる点は変わりありません。

基本は現状引渡

中古車の売買については売主がなにかしら保証を明示してつけていない限り、基本的には「As is」といって現状引渡が原則になります。
ですので、かりに売主が重要な欠陥を知っていたのに告知せずに売るなどの悪質な行為がない限り、現状の状態で引渡をすれば足りるというのが根底にあります。
ただし、消費者保護の観点から、売主であるディーラーにはいくつか法規制が敷かれています。

 まず、今回の質問に関する簡単なお答えを考えます。
そして、一般的にディーラーが中古車販売をする場合にはどのような規制があるのか考えていきましょう。

契約を解除するには

あとで詳しく考えますが、まず、中古車の売買契約が成立した場合(売主と買主が契約書にサインした場合)、契約は有効に成立し、契約に記載されている内容にそぐわない事情がなければ契約の解除というのは一般的にできません。

以下詳しく考えますが、2営業日以内に契約を解除できるという条項があれば解除はできますが、今回質問されている方のように一週間ほど経ってしまうと、かりに解除条項があったとしても、2営業日は超えている可能性が高いです。

瑕疵だと言えるかどうか

また、中古車の契約書に車に隠れた瑕疵があった場合には、契約は解除できるという条項があるとは思いますが、タバコのニオイというのはたとえば、内装をシャンプーして、エアコンのフィルターを変えるなどすれば対応できてしまう可能性があります。
そうすると、最悪、裁判になったとしても、中古車を返すというよりは、匂いを消すためにかかった費用の回復程度に収まってしまう可能性があります。
明らかに「禁煙車」と表示していない場合には、「騙された」ということで詐欺を追求するのは難しいと思います。
言わなかったことが即違法とは言えそうにはありません。

新車への乗り換えは別契約

 また、同じディーラーを通して、新車に乗り換えるということを言われていますが、中古車の販売と、新車の販売は法律的には明らかに2つ別の契約であります。
そうすると、今回の質問にあるように「上乗せで何か払わされるのか」ということについてはまったく未知のことです。

基本的にはディーラーとしては新車に代替する義務というのはないような事例なので、あくまでもお願いベースで頼むということになると思います。
お願いベースですから、ディーラーの好意次第ということになるでしょう。

ローンの移行は難しい

また、ローンを「そのままで」ということですが、現状のローンはあくまでも、中古車に対して組まれているものですよね。
そうすると、そのローンを別の車にそのまま移行するというのは法律的には難しいと思います。

2つ違う契約なのですから、通常は一つずつ別のローンが発生するはずです。
ですので、ディーラーがある程度ローンを発行している金融機関(場合によっては、ディーラー自身がローンを発行しているかもしれません)と話ができ、ある程度のコントロールができるのであれば、お願いベースで何かやってもらえるのかもしれませんが、法律的な権利で何か言えるというのは難しい事例かと思います。

 次回以降、今回の質問について、中古車ディーラーに対してカリフォルニア州が行っている規制を掘り下げて考えていきましょう。

本格的に2023年も始動しはじめますね。
皆さん健康に注意しながらまた一週間がんばっていきましょう。

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作成者: jinkencom

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