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カリフォルニア弁護士ブログ

法律ノート 第1349回 弁護士 鈴木淳司
Jan 17, 2023

 雨が多くてゴルフにもいけないので、週末はフットボールを見ながら仕事をしています。
皆さんはどのようにお過ごしですか。
昨年末は被告企業側を持って裁判に勝ちましたが、今週末は原告被用者側の雇用に関する相談に乗っていました。
皮肉なもので、年を跨いだら、弁護する側が反転しそうです。
弁護士「あるある」なのですが、「私は原告しか代理しない」とか「被告企業しか代理しない」と誇らしげに言う人が多いのですが、私には理解できません。
将棋でも先手番、後手番があるように事態を多角的に見る目を養っていないと、クライアントにとって真に妥当な解決がわからないと思うのですが。
私が欲張りなだけかもしれませんが、仕事において興味を色々持つことはマイナスになることはないでしょう。

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 さて、前回から考えてきた「昨年、ディーラーから、「Certified Pre-Own」の車(日本でいう認定中古車)を購入しました。テストドライブのときは何も感じませんでしたが、一週間ほど経つとタバコの強い匂いがしてきて、耐えられません。家族がいうには、テストドライブした時のデオドライザーが切れたからではないかということです。この車を返却して、そのローンのまま、同じディーラーで、新車に乗り換えることで、上乗せで何か払わされるでしょうか?私は「騙された」と思っているので、私には何も過失はないと思うので、上乗せで何か払わなくてはならないものは何もない、と思うのですが。」という質問について続けていきたいと思います。

ディーラーへの州規制は厳しい

 前回、やはり質問にある中古車の売買契約と、新車の売買契約は2つ別物なので、ディーラーにお願いベースでどの程度やってもらえるか交渉することはできるが、法律的になにかディーラーに対して強制できるわけではないということを考えました。

 今回は、カリフォルニア州から許可(ライセンス)をもらっているディーラーについて、どのような規制がなされているのか考えておきたいと思います。

 そもそも州からライセンスをもらわないで営業をしているディーラーというのは州も規制できませんし、皆さんも信用しないほうが良いと思います。

 まず、カリフォルニア州の規制は車を売るディーラーにのみ適用され、オートバイには適用されません。また、個人間の売買には適用されないという前提については理解しておいてください。

規制のポイントは3つ、まずクレジットスコア

 さて、第1点目ですが、ディーラーは皆さんのクレジットスコアを入手、使用することについてかなり厳しい規制に服します。

 クレジットスコアを皆さん消費者から入手する際には、少なくともフォントサイズ「10」以上の文字で、スコアはディーラーが使用すること、スコアには支払、借金等の個人情報も含まれること、スコアは流動的であること、スコアの数字が借入額に影響すること、スコアの読み方を説明すること、スコアをどこから入手したのかを明らかにすること、連邦法で消費者が自身のクレジットスコアを年に一度無料に入手できることを明らかにすること、などの理解を得なければならないとしています。

ディーラーが組むローン手数料に注意

 第2点目ですが、ディーラーが皆さんのローンを組む場合、ディーラーの手数料は60ヶ月以上のローンであれば上限2%、60ヶ月またはそれより短い場合には、2.5%に限られています。

 ただし、ディーラーが自分の責任(自腹)でローンを組む場合で、6ヶ月以上その責任を取り続けることが条件であれば、この手数料の上限は適用されません。

 簡単にいうと、ディーラーが、金融機関を探してきて手数料を取る場合には上限があり、ディーラーが自分の責任でローンを組む場合には、上限は適用されないということになります。ですので、ローンの書類を気をつけて確認する必要があります。

契約書は必ず確認を

 第3点目ですが、ローンを組む場合、毎月の支払いに何が組み込まれるのか、アイテムごとに明示する必要があります。

 これは、カリフォルニア州民法2982条に規定されています。  

 今回の質問にあるように、ディーラーは、保険や、メンテなどを組み込む形で売上をあげようとしますが、必ず何がいくらなのかはっきり確認することは重要です。必要であれば、保険など自分で対応する場合の値段も確認するべきでしょう。

 また、契約書には自動車本体だけのローンと、他の付随する項目が付加された場合の月々の支払いを両方記載することが義務付けられています。

 まだまだ、考えたいことがありますので、次回続けていきたいと思います。

 カリフォルニア州は規制が多いので、車を売るのも、買うのも大変ですが、皆さんの生活にも身近な話題ですし、質問も多いところですのでまた次回一緒に考えていきましょう。

 来週は晴れるようですが、寒い日もありそうです。体調に注意しながらまた一週間がんばっていきましょうね。

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作成者: jinkencom

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