法律ノート 第987回 弁護士 鈴木淳司
Dec. 28, 2015
2015年最後の法律ノートです。読者の皆さんに支えられて、今年も続けていくことができました。途中、読者の方から回数の振り間違えを指摘されて、一時期回数を巻き戻してご迷惑をおかけしましたが、結果として無事に元通りになりました。順調に行けば、来年は4桁の大台に乗るわけです。
これもひとえに読者の皆さんが質問をしてくださり、一緒に考えてくださっていた賜物です。私一人ではこのように続けることはできませんでした。皆さんの質問に答えなければ、と思う気持ちがここまで私の背中を押していただけたのだとつくづく思います。
読者の皆さんに感謝の気持ちを込めつつ、皆さんにとって素晴らしい2016年でありますように心から祈っております。
カリフォルニア州弁護士コラム「2015年回顧」_987
2015年の業務を振り返ると、日本の企業の海外進出が活発になってきたように思います。ただ、日本における消費の停滞のため、海外に活路を見出すという考えが根底にあるように思います。アジア諸国の台頭により日本の景気が曇っているというファクターはあると思います。
ビジネスの関係は世界規模に
また、海外進出をする企業を見ていると、ビジネスの関係が世界規模になってきていると思いました。私が目にした契約書を振り返ると、日米間のみの契約書よりは、日米を絡めて、他の国々も関係するものが増えてきたように思います。国単位ではなく世界規模の経済のなかでどのように日本の企業が立ち振る舞うのか、2016年も課題になるのだろうと予測できます。
世界規模の経済を意識するのは大企業に限りません。日本の中小企業でも技術力があるところも多いのですから、先見の明があれば世界に活路が広がるであろうし、そうなってほしいと願っています。
ナショナリズムの高揚
ビジネスは世界に分散していく一方で、各国のナショナリズムが高揚した年でした。日本でも安全保障について考える機会がありました。アジア諸国との関係についても緊張が高まる場面がかなりあったと思います。
イスラム系の過激派と西洋諸国の衝突は日本にも影響をして、収束するよりは拡大方向にあります。テロに対してさらに武力で向き合うという状況が2016年も続くのでしょうか。世界平和を各人が意識する社会をつくるように一人ひとりなにができるのか、考えていかなければなりませんね。
米国のナショナリズムの高揚も感じられました。大統領候補者のスピーチでは、「米国民の安全」というフレーズばかり聞かれますし、極端な発言では「イスラム教信者を入国禁止にするべきだ」といった、人種や宗教を一括りにする残念な発言も一定の支持を得たりする状況が続いています。
来年は新しい大統領が選ばれるので、政治がどのような舵切りをするのかは現在不明ですが、極端な方向のナショナリズムには注意していかなければならないと思っています。
ビザの発給審査は厳しくなる予想
イスラム過激派に関しては、アメリカに滞在する日本人にはあまり関係ないと思われるかもしれませんが、移民法などではビザ無し入国の事前審査(ESTA)において、イスラム国への入国歴やつながりを更に詳細に調べることになりましたし、ビザの発給審査も厳しくなってくると予想されます。
どこの国でも外国人を入国させるかどうかは、国の広い裁量に任されていますので、アメリカにおいては、偏ったナショナリズムが移民法の運用に関して影響しないことを祈っています。
イスラム教というのは元々穏やかな宗教で、ごくわずかな極端な経典解釈をする過激化がテロ行為を起こしているわけです。宗教が違ったとしても、他の宗教はどう考えているのか、各人が理解することは重要だと感じた一年でした。
私の所属する事務所は、新しい弁護士も加わり賑やかになりつつ、無事に一年を終えました。2016年もがんばっていこうと皆で話をし、年末のパーティーも終わり、年始を迎えることになりそうです。
もちろん2016年も法律ノートを皆さんと一緒に続けていきたいと思っております。法律ノートは皆さんの質問が半分、私の回答が半分だと思っておりますので、どうか2016年も皆さんと育てていきたいと思っておりますので、変わらぬご愛顧をお願い致します。せっかく4桁の大台に乗るのですから、何か特別な企画でもしてみたいものです。案があれば、読者の皆様の御意見もお伺いしたいところですね。
とにかく、読者の皆さん一年間お付き合いありがとうございました。2016年が皆さんにとって幸多き年であり、皆さんが健康に過ごせることを心から祈っております。
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