法律ノート 第1168回 弁護士 鈴木淳司
July 7, 2019
カリフォルニアで地震がありました。心配して多くの連絡を日本からいただきました。
しかし、カリフォルニアは大きく、サンフランシスコからだと何百キロも離れた場所での地震なので影響はありませんでした。かなりのマグニチュードの地震でしたし、余震もかなり多いので、まだ全然油断はできませんね。心配くださった方々に感謝しています。それにしてもこの数日天気も良く、独立記念日もあったので、みなさんも休日を楽しまれたのではないでしょうか。
寄付金の使途(4)_1168
さて前三回考えてきた「10年ほど前から懇意にしている医師の紹介で知り合った、ある音楽家のリサイタルをサポートするために、ある程度まとまったお金を寄付しました。その音楽家の方の姿勢や演奏内容に賛同したこともあります。しかし、リサイタル前に音楽家の方が、かなり重い病にかかり、リサイタルは中止され、今後の活動も難しくなってきました。寄付金について、あまり大きな声を出したくないのですが、実際には寄付金はリサイタルの準備には使われなかったようですが、すでに集めた寄付金はこの音楽家のために使われたということで、さらに寄付を求められています。このような場合、使途を明確にするとか、さらにどのような名目であろうと、寄付金が使われるのか知る方法というものはないのでしょうか」という質問です。
今回最終回として、寄付について気をつけておくべきことをいくつかみなさんと考えましょう。
税金の控除が受けられない寄付もある
私は今回の質問を読んで、ある意味個人的スポンサーになっているだけかもしれないと思える部分もあります。いわゆるタニマチですよね。
寄付というのは、何度もいいますが、なんらかの目的、たとえば、教育、宗教、慈善、などの大きな目標があることが前提になります。ですので、その寄付先の団体がどのような目的を持っているのかちゃんとリサーチをしなければいけません。
また、どのような収支があるのかも考えなければいけません。さらに、受け取った寄付金がどのように使われているのかも事前に理解したほうが良いと思います。
多くの方々は寄付というと、税金の控除が受けられるという感覚があるようですが、それは間違いです。ちゃんと連邦政府に登録されている非課税の非営利団体に関しては、寄付金も一定の控除を受けられますが、寄付先が、単に非営利団体だからといって寄付に税金の控除があるわけではありません。その点は、必ず寄付先に確認するべきです。
上記の情報に関して、カリフォルニア州に登録されている非営利団体は、カリフォルニア州司法長官のオフィスのウェブサイト(at www.oag.ca.gov/charities)、または連邦の歳入庁(IRS)のウェブサイトで確認できますので、寄付する前に、どのような団体かチェックをするように心がけてください。
一拍置き、必ず確認してから寄付を
今回の質問では、知り合いからの紹介ということでしたが、場合によっては、ドアをノックしてくる押し売りのような寄付の勧誘、そして電話で、あたかも公的団体(警察など)を名乗っての勧誘などがありますが、私は個人的にはすべて断っています。情に流される場合もありますが、必ず寄付先のことをチェックしてから一拍置いて寄付をするようにしましょう。
日本では宗教団体や英語教材の勧誘が盛んですが、アメリカではとにかく様々な寄付の勧誘が多いものです。今回の質問のように知り合いから頼まれたとしても、とにかく一拍おいてから、寄付先を確認することが重要です。
災害時の募金にも注意
それから、災害のときなどの募金にも注意が必要です。私も失敗したことがあることは述べましたが、特定の募金についても、どのような目的でどのように使われるのかは必ず把握しておいたほうが良いと思います。
通常、ちゃんとしている募金であれば、募金のうち、どの程度が被災者に渡るのか書いてあるはずです。募金をしても、運営するのに8割取られてしまったら、ほぼ意味がないですよね。
同じように、正当な団体がやっている募金に似せてつくった名称の募金などが最近ではネットで流行っています。これらはある意味詐欺的なやり方をしているので、よく調べてから募金もしないと、お金が願っているところに行かない可能性もあります。
以上で、今回の質問にお答えるのをいったん区切ります。
また、新たに質問があれば、法律ノートにいつでもメール(question@marshallsuzuki.com もしくは i@jinken.com)していただければと思います。
夏の果物は大好きなのですが、食べ過ぎには注意ですね。冷たいものを取りすぎないようにしながらまた一週間がんばっていきましょうね。
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