ハッチ・チリ Hatch Chili_1329

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1329回 弁護士 鈴木淳司
Aug 28, 2022

週末にローカルのスーパーマーケットに行くと、入り口に「おいしいです、お試しあれ!」的な表現でハッチ・チリ(Hatch Chili)がたくさん置かれていました。
ゴルフは熱中症対策で少々休んでいるので、時間をかけて料理でもしようかな、と思いスーパーに顔を出した際に目に入ったのです。
いや、目に入るというよりはもう「みんな食べてみて」という感じで置かれているのです。
ここ数年ハッチ・チリをカリフォルニアでも目にするようになったように思います。
今回は、一回、皆さんからいただいている質問にお答えするのをお休みさせていただき、このチリの話をさせてください。

ハッチ・チリ Hatch Chili_1329

 皆さんはハッチ・チリという唐辛子をご存知でしょうか。
Hatch Chiliで検索をすればいくらでも情報は出てくるでしょうが、かなり大きく15センチくらいはあるでしょうか。
メキシコのスーパーでも見たことはないですし、もともとカリフォルニアでも見たことがないのですが、躯体が大きいチリです。
ニューメキシコ州のハッチと呼ばれる地方で、地元の大学と農家で掛け合わせてつくったチリだそうです。
私も、かけあわせのことはあとで知りました。

 生のハッチ・チリをカリフォルニアでも、この数年スーパーで普通に見かけるようになり、見るとすぐに買ってしまいます。
そのまま料理するのではなく、いったんローストしてから使うと風味がとても良くなります。
あ、これは法律のことを書くコラムでしたね。すみません、料理ブログではありませんので、ハッチ・チリと私のことを続けさせてください。

 昔1L(ワンエル)という映画がありました。
ロースクールの一年生の生活を描いた作品ですが、私も若いときにはそれなりに法律を勉強した記憶があります。
この映画のように、法律を勉強する一年目というのは皆ナーバスになり、頭が良いと自他ともに認める人たちが競争を繰り広げます。
なかなか友達といっても表面的なつながりが多かったように思います。

私が法律を勉強し、はじめて友人として仲良くなったのは、J君でした。
J君は、ニューメキシコの大学を相当優秀な成績で出て、お父さんは、ニューメキシコ州で連邦の原子力の科学者として働いていました。
J君と私はバイクが好きだったので、彼はハーレー、私はドゥカティを持っていてよく週末遊びました。
彼はブロンドの長髪で、ヒッピーみたいなカッコをしていましたし、私も乞食のような破れたジーパンでひげをはやしていましたので、色々浮いていたと思います。
彼のお父さんに一度会ったことがあるのですが、親子でヒッピーのような感じでした。
天才科学者ってこういう感じなのか、と衝撃を受けました。
ただ、ヒッピーみたいなカッコをしていても、薬物は一切使わない、一本筋が通っているところが好きでした。

 アメリカは、セメスター制で、一年を二分割し、それぞれ15週間のプログラムを組むのが、法律学校です。
15週間のセメスターのなかでは、テストは全くなく、いわゆる期末試験のみで成績が決まります。
ですので、皆15週間をどのように駆け抜けるか考えてやっていくわけです。

私ははじめての成績をもらって満足できたのですが、J君はあまり芳しくなかったようです。
そして、次のセメスターには一緒にがんばろうと二人プラス何人かで、一緒に勉強をした思い出があります。

週末にはバイクのツーリングに行き酒を飲みましたが、J君はあまり法律の勉強に気が乗らないようでした。
たしかに、J君を見ていると、才能はある人なのですが、法律家に本人は本当になりたいのかな、と思うときがありました。

二回目の期末試験にむけて勉強を二人で追い込んでいました。
私が彼の家に泊まったり、彼が私の家に泊まったり二人で色々やっていたのですが、試験直前に私が風邪かなにかわかりませんが、高熱を出したことを覚えています。
もちろん二人だけではなく、ほかにも人が何人も入って「あーだ、こーだ」と言いあっているので、どこかで病気をもらってしまったようです。
J君は元気でしたが、私がダウンしてしまいました。

試験が数日後というときに、「もう動けない」という状況に私は陥っていました。
どの科目の試験かはよく覚えていないのですが、J君が私のために、ニューメキシコには、ハッチ・チリがあって、チキンスープにすると良い、ということで彼女とつくってくれて、わざわざバイクで持ってきてくれたのを覚えています。

最初は「辛い」とおもったのですが、五臓六腑に染み渡るというのでしょうか。
わざわざ私のために、ニューメキシコからわざわざ運んできた貴重なチリでスープを作って、そして私のために家まで持ってきてくれたのです。
そのおいしかったこと。
ハッチチリにも辛さの段階があるようですが、そのスープをかなりその夜飲んで、汗をかき、次の日には正常に戻りスッキリしたことを覚えています。
そのおかげで、試験も乗り切れました。
それから、私はニューメキシコ州のチリの大ファンになってしまったのです。
ニューメキシコに行くと、とにかくハッチ・チリを求めるような人間になってしまいました。

 試験期間が終わり落ち着いたあと、J君とバイクでツーリングに行き、色々話しましたが、J君は成績が芳しくなく、法律は自分に合っていないとつぶやいていました。
次の学期に彼はいませんでした。

当時はSNSもなく、彼と私は離れ離れになってしましました。
いったんニューメキシコ州に帰ると言っていましたが、その後連絡が取れなくなってしまいました。

 J君がいなかったら私は期末試験を受けられていなかったと思います。
彼には感謝しているのですが、彼が現在楽しく、幸せに過ごしているのかな、と気になります。
もう30年近く前です。
ハッチ・チリを見るたび、食べるたびJ君を今でも思い出します。

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作成者: jinkencom

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