じんけんニュース 弁護士 鈴木淳司 3-14-2022
ウクライナ国民に対する一時救済策
March 14, 2022
ウクライナに対するほぼ一方的とも言える攻撃は、いじめっ子が先生の言うことを聞かないで、クラスのみんなが黙っているのに、暴れているような幼稚な行動に見えます。もちろんウクライナの人たちの人命や財産を奪う行為は許せませんが、一方でロシアの人々もかなり困ることは間違いありません。口だけ迷惑ならまだ良いのですが、本当に迷惑な政治家がいるものです。三権分立的な権力の内部対立構造が機能していない国がなくなると良いな、と思ってしまいます。
さて、今回は日本には直接関係ありませんが、アメリカに住んでいると、皆さんもどこかで、つながりがある可能性もあります。
ウクライナの有事における、一時的な保護政策が発動されましたので、今回考えたいと思います。
私の治療をしてくれている歯医者さんもウクライナ出身で、助手の人も同様なので、心配しています。私は、今ロシアが一方的にやっていることが現状納得が個人的にもいっていませんし、病院や発電所を攻撃するなど民間人まで攻撃をしていることは許せません。
もし、みなさんの周りにウクライナ出身の方がいて、今回ご紹介する、一時的な保護政策に当てはまるようであれば、私にご連絡ください。無料でアメリカの移民局に提出する書類を整えさせていただきますし、できる限りのサポートはさせていただきます。
一時的保護政策-Temporary Protection Status
一時的保護政策(Temporary Protection Status、以下「TPS」といいます。)は各国の紛争地域からアメリカに来ている外国人を行政の特例で保護する目的で与えられるものです。
紛争だけではなく自然災害などにも適用されます。
第二次世界大戦以来のヨーロッパでの武力侵攻ですし、ライフラインも攻撃により儘ならない状況です。紛争地域に間違いはありません。
TPSの申請要件
今回のTPSの申請要件は、2022年3月1日現在でアメリカに滞在しているウクライナ国民に限られます。
同年3月1日以降に、アメリカに入国されている方はTPSの申請はできません。
TPSは18ヶ月間与えられ、その期間の間は就労許可も申請できる場合もありますが、一方で、申請において、厳格なバックグラウンドチェックは行われます。
手続きですが、I-821というフォームを記入・準備し、必要添付書類とともに、アメリカ国内の移民局に申請手続をすることになります。インターネットにより申請も可能です。
申請費用は、据え置かれていますが、無料から50ドルまで、どのような申請をするのかで幅があります。
申請に必要な添付書類の主なものは、下記の通りです。
(1)国籍または、永住していた事実を示す書類
(2)アメリカに入国した日を示す書類
(3)アメリカに入国していることを示す書類
となります。
(1)と(2)は自国のパスポートがあれば、添付書類としては充分です。
(3)については、たとえば、アメリカ国内での雇用履歴、賃料、光熱費等の支払履歴、在学履歴、治療履歴、などがあれば足りると考えられます。
そして、申請全体の流れとしては、アメリカ国内にいる外国人に限られますので、申請書を提出し、その審査が行われ、写真や指紋などのやり取りが行われます。
その後、就労ができるかの審査があり、許可、不許可が審査されることになります。バックグラウンドチェックに時間がかかる可能性はありますが、流れは以上のような形になります。
まだ、延長される可能性もありますが、今のところ18ヶ月間アメリカに滞在することは今回の措置で可能になりました。
サポートご希望の方がいればご一報を
ですので、皆さんも周りにウクライナから来ている人たちがいれば、ぜひ学生ビザでも就労ビザでも、アメリカに滞在できるということは伝えてください。助けられることは、いくらでも助けますので、どうか安全でいる方法を模索するように、皆さんも手助けしてください。
しつこいですが、アメリカに滞在しているウクライナ人の方を知っていて、アメリカに滞在し続けることも時限付きですが可能です。そういう方がいらしたら、私に一報をください。できる限りの法律的なサポートは提供したいと思っています。
連絡アドレス:i@jinken.com まで
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