法律ノート 第1281回 弁護士 鈴木淳司
September 21, 2021
秋が深まって来ました。朝晩肌寒いので体調には気をつけなければなりません。もう街ではハロウィンに向けた商戦が活発になってるように感じます。
2021年も結局経済は再開してきたものの、生活にコロナの影が色濃く、昔のような街を練り歩くハロウィンが復活するのか、復活したとしても、そもそも自分は以前のように実際参加するのか、など思いが巡ります。
以前は、皆で酒を飲んだりしながら、楽しい夜を何度も経験していますから、今の状況を見ると寂しくなりますね。
現状を見ると、今後コロナは無くならないように思います。インフルエンザのように人間と共存していくことになるのでしょうか。
そうすると、ハロウィンも含め色々なイベントも感じが変わってしまうのでしょうかね。オンラインハロウィンなんて虚しい感じがするのですが。
米留学ルームシェア 賃料負担は?(1)_1281
さて、今回からまた皆さんからいただいている新しい質問を考えていきたいと思います。
いただいている質問をまとめると「日本から留学している学生です。コロナ禍で学校が休校(2020年)になった時点で一度日本に戻りました。コロナ禍までは、(カリフォルニア州に所在する)アパートを3人の学生でシェアしていました。他の二人はアメリカ人でした。2021年になって、学校が一部再開することになり、アメリカに戻ったのですが、私が住んでいたアパートについて、不在期間(日本にいた期間)の家賃を払ってくれ、とルームメイトの二人に請求されました。実はコロナ禍になった時に、ルームメイトの彼女が借りていたアパートを出なくてはならず行くところがなく、私の使っていた部屋に一時的に住みたいという話になりました。私も一年程度であれば良い、ということで同意したのです。私はてっきり家賃をこのルームメイトの彼女が払ってくれているものと思っていましたが、ルームメイトは私が払うべきだということで揉めています。このような場合、私が不在にしていた期間の家賃はルームメイトに払わなければならないのでしょうか。」というものです。
コロナ禍において、かなりの数の賃貸借に関する紛争が発生しました。
特に賃借人が家賃が払えないという状況です。
色々な相談がありましたが、基本的には行政が家賃支払いに関して最近までモラトリアムを設けて対応していました。
コロナ禍における家賃支払については、様々な行政による対応がなされていましたので、全部を法律ノートで取り上げることは難しいです。
今回の質問のように賃貸借に関しての質問が来ているのですが、行政のルールに関しては個別に弁護士や行政機関に相談されることをお勧めします。
今回の質問は、コロナ禍か否かに関わらず、色々法律的には難しい問題を含んでいます。
全てのポイントを網羅できないかもしれませんが、頑張って考えていきましょう。
ルームメイトとの契約関係
まず、学生ではよくあることなのでしょうが、ルームメイトとはどのような契約関係があるのかを考えていかなければなりません。
他に2名のルームメイトがいるということで、この2名と質問者の方は借りているアパートに関してどのような契約を結んでいるのかを考えなければなりません。
まずは契約書
契約書を確認することが第一歩になります。
すなわち、今回の質問を考える前提として、ルームメイトを含む3名がそれぞれ賃貸人(大家さん)と賃貸借契約を結んでいるのか、それともこの3人のうち、一人、または二人だけが大家さんと賃貸借契約を締結していて、他の人たちは、アパートの賃貸借契約している人たちからサブリースされているのか、を明らかにしなければなりません。
通常は連帯責任ー1人ひとりが全額の支払い責任
通常は、賃借人が複数いると、全員が連帯責任を負い、一人一人家賃の全額について責任を負うような書き方になっているはずです。
一方で、今回登場する三人の住人の一人が賃借している場合には、他の二人はサブリースをこの賃借人からしているということになります。
サブリース=転貸借
ちょっとややこしいですが、サブリース(転貸)をしている場合、大家さんは賃借人ということになります。
どのような関係にあるのかは契約書を見てみないとなんとも言えないのです。ここから次回続けていきましょう。
中秋の名月はいかがでしたか。満月に団子といくような天気でしたか。
秋でキノコが美味しいシーズンですね。秋を堪能しつつまた一週間頑張っていきましょうね。
アメリカ暮らし。賃料の値上げ要求はできる?(1)_1162
家賃の滞納、直ちに損害金を支払うべき?(1)_1178
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