じんけんニュース 08-12-2021 弁護士 鈴木淳司
SSNが取得しやすく!-移民局と社会保障局の連携
ソーシャルセキュリティー番号とは
アメリカで労働するうえで切っても切り離せないのが、ソーシャルセキュリティー番号です。略して、SSNと呼ばれます。
もともと、SSNは政府から社会保障に関する公助を受けるために各個人に振られた番号です。
アメリカで生まれた人には自動的に付与され、その番号は一生ついてまわります。引退した人がもらえる年金などの紐付けになっているわけですね。
連邦政府と個人の関係は、SSNで結ばれているといっても過言ではないでしょう。
ですので、特に連邦政府との関係では、たとえば納税に関してもSSNが重要な要素になります。
戸籍のないアメリカでは重要な役割を担っているのですね。
SSNの利用範囲はかなり広い
そして、現代では、この個人を識別するSSNがかなり広範囲で使われています。
たとえば、個人のクレジットチェックなどにも利用されますし、州政府との関係にも利用されます。
このSSNですが、学生であれば納税をしないわけですから、あまり使用する必要はないので、外国人学生(Fビザなど)にとってもあまり必要がないとも言えるのですが、最近では州政府も原則SSNを要求するところが増えています。
外国人でアメリカの国籍を持っていない場合でも、学生はSSN不要とされていますが、就労ビザで働く外国人はSSNが必要になるわけです。
一方で、外国人は出生時にSSNがもらえるわけではないので、米国内で労働するにあたりSSNを取得しなくてはならなくなります。
ただ、移民局の労働許可申請と社会保障局のSSN申請はまったく別物で、今まではタイミングを見計らって別々に処理しなければなりませんでした。
永住権申請している外国人はSSNの同時申請OK
さて、この8月、永住権の申請をしている外国人は、永住権申請にプラスして、SSNも同時に申請ができることになりました。
これは、縦割り行政において画期的な進化だと思います。
社会保障局のオフィスに行かなくても、申請が一つで終わってしまうのです。
永住権の申請(I-485)の場合のみに限定されていますが、良いスタートだと思います。
I-485申請が許可となると自動的に移民局から情報が社会保障局に伝わり、新規発行または再発行をしてくれるということになりました。I-485にも追加の質問が記載されます。
SSNの情報共有は広がる可能性もー良し悪し
まだ、すべての申請に対応しているわけではありませんが、少なくとも永住権申請については、このように情報の共有によって、申請者も二度手間がなくなるということになりました。
今後はこのような共有が進むと思います。
一方では良いことなのですが、裏を返すと、移民局と社会保障局が情報を共有することになるわけで、いろいろな情報がシェアされていくことになります。
特段不合理はないとは思いますが、収入等が連邦政府内で広く知られることになることは、覚えておいたほうがよいかもしれませんね。
次回また新しいトピックを取り上げていきましょう。
最近は、なんだか締め付けばかりの移民法の話題でしたが、今回の連携についてはポジティブな内容で嬉しいです。
ちゃんと申請者の利益も考えてくれているのですね。
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