リース代金が高い!?アメリカで減額交渉(3)_1253

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1253回 弁護士 鈴木淳司 
March 7, 2021

 やっとコロナワクチンも普及しはじめ、サンフランシスコ市のレストランも一部ですがオープンをはじめました。
先週から、25%のキャパシティでインドア・ダイニングも許されることになったのです。やっとトンネルの出口が見えてきた感じでしょうか。
私も早速事務所のそばにあるワインバーで、屋外席でしたがワインを堪能しました。楽しい気分になりますね。これから夏に向けてコロナが収束して気軽に外に出て酒を飲めると嬉しいのですが。

リース代金が高い!!アメリカで減額交渉(3)_1253

 さて前二回から考えてきた「最近車をリースしました。今までは車を買っては買い替えていたのですが、リースの方が新しいクルマを乗り継ぎやすいし、メンテンナンスも含まれるということで、車を購入するよりもリースを勧められ選びました。そして、毎月支払いをはじめたのですが、インターネットで色々調べると、思ったよりもリース代金が高く、あまり購入するのと変わらないことに気づきました。まだ、リースをはじめたばかりですが、交渉をして購入するように変更するにはどのようにしたらよいのでしょうか。」という質問に関して続けて考えていきましょう。

リースの契約関係を確かめる

 前回のまとめですが、車をリースで借りているのであれば、契約は皆さんとリース会社の間で締結されているので、車の販売店は契約上関係がないということになります。

そして、リースというのは、リース会社が買い上げた皆さんにリースをするという構造になっていますので、リース契約がある場合には、簡単に売買契約に切り替えて皆さんが購入できるわけではありません。
いったんリース契約を締結しているのであれば、その内容に従ってくれ、とリース会社は期待しているわけです。
それでお金を儲けるのが、リース会社だからです。

 しかし、コロナ禍の影響で、リース代金が払えない消費者が続出していることもあり、リース会社としても色々なネゴに応じてくれているようです。

何も言わなければ、そのまま支払う義務は続きます
ですので、今回質問されている方も含め消費者の方から積極的にリース会社に交渉する姿勢を持たなければなりません。

リース料金の減額に向けたアクション

いくつか可能性を考えてみましょう。

 まず、コロナ禍の影響で新規にリースをする人も少なくなり、前々回考えたいわば利息として捉えられるAPRがかなり安くなっています。場合によっては、利息に換算すると0%に近い場合も出てきています。

したがって、リース会社にダメ元で連絡して、最近APRがかなり安くなってきているので、少し支払いの調整をしてもらえないか頼んでみることが考えられます。

ただ、リース会社にとっての最大の利益は、このAPRですから簡単に交渉に応じることはないと思います。

二の矢として、たとえばリースの期間を調整してもらい、毎月の支払いを低くしてもらう交渉も考えられるかもしれません。

 次に、かなり困難かもしれませんが、販売店に相談して、販売会社とリース会社は基本的に同系列の会社であることが多いので、リースをやめて購入に変えられないか言ってみることも考えられるかもしれません。
ただすでに、車両の所有権はリース会社に移ってしまっているでしょうから、その契約関係を解消してくれ、ということはなかなか認めてくれないと思います。

 したがって、今回の質問をみると、いったんリース会社を通してリースをした場合、途中で気が変わってリースを購入契約に変えたいという希望はかなり通りにくいと思います。

もちろん、リース契約が終了した時点で、その車両の残額についてローンを組んで車を買い取るということは日常茶飯事のように行われています。
ただ、この残額払の購入は、リースの中途で購入に切り替えるということではありません。

違約金支払いの前提での解約申し入れ

 リースを購入契約に変えるのはかなり困難かもしれませんが、もう一つ考えられるのはリース会社とリースを終了させたい旨を告げ、違約金はどの程度か考えることもありえます。ただ、違約金はリース契約に基づいて設定されているでしょうから、あとはリース会社にお願いベースで頼んで違約金を下げてもらう交渉をするということになりましょうか。

 最近では、ITのサービスは多岐に渡って、物の購入、貸し借りなどかなりの分野に浸透しています。
自分の持っている車を貸すというサービスもアメリカでは普及しつつあります。
ビジネス的に成り立つのか疑問ですが、たとえばリースをした車を、このような自分の車を第三者に貸すサービスに登録して、お金を稼ぎ、別途もう一台車を購入するということも考えられるでしょうか。

面倒な点もあるかもしれませんが、聞くところによるとうまくいくとリース代金を払っても儲けられるとか。
ただ、リース契約でこのような車の使用が許されているのか、確認する必要もありますし、車が毀損したときに責任はどうなるのか、保険はどのように適用されるのか、など問題はたくさんありそうです。

 以上が、現状私が考えつく対応方法ですが、まだ他にもあるかもしれませんね。今回の質問については、ここまでにしてまた次回新しく頂いている質問を考えていきたいと思います。

季節替わりの雨も降り出して、もう少しすると本格的な春ですね。
まだまだコロナに関して気は抜けませんが、春の訪れを楽しみにしながらまた一週間がんばっていきましょうね。

関連サイト

カリフォルニアで起業をお考えですか?
まずは、州のページで登録事項を確認

ニューヨークで起業をお考えですか?
まずは、州のページで登録事項を確認


▼DVグリーンカード抽選当選後サポート、お申込み受付中
https://jinken.com/win/

当選なさった皆さま、おめでとうございます! 当選した後は、一定期間、事務手続きに加えて大小の不安も抱えがちです。 移民政策の変更にも、柔軟に対応しています。

▼DVグリーンカード抽選サポート、お申込み受付中
https://jinken.com/entry

絶対アメリカに行きたい!住み続けたい!大きなチャレンジをして自分を変えたい! Momsを通じてご応募なさる方々の「本気」にこたえます。

応募期間は例年10月のおよそ1か月。すぐに終わってしまいます…

もしもDVが実施されなかった場合には、もちろん全額対応させていただきますのでご安心ください。政権の移民政策に対する不安も大きいところですが、Momsでは柔軟に対応してまいります。

作成者: jinkencom

jinkencom について JINKEN.COMの運営者であり、カリフォルニア州弁護士として活躍中の鈴木淳司弁護士のブログです。「移民法ブログ」では米国の移民分野についてホットな話題を取り上げて月に一度更新、「アメリカ法律ノート」は広くアメリカの法律相談に答える形で、原則毎週更新しています。なお、本ブログの著作権は著者に帰属します。 *たびたび法制度が変わりますので、最新情報をご確認の上、手続きされてください。