法律ノート 第1219回 弁護士 鈴木淳司
June 28, 2020
大変なときに寛容であること_1219
今回は一回質問にお答えするのを休ませていただき、仕事を通じて感じたことを考えさせてください。「寛容」という言葉を辞書で調べると「心が寛大で、よく人を受けいれること。過失をとがめだてせず、人を許すこと。」と書いてありますが、寛大というのがもうワンクッション説明が必要だと思いますが、考え方が広いということでしょう。
このコロナでの自粛期間に今ならではの、様々な相談を受けています。個々の相談でも法律ノートにも質問が来ています。かなり具体的な質問もありました。
なかでも多かったのが、「子供の教育機関や習い事に支払ったお金は戻ってくるのか」という質問でした。
私に来る「相談」というのは、もちろん親が払った金を取り戻せないか、とか、学校側の話では、コロナの期間どのように対応するべきなのか、といった両方の話があるわけです。
カリフォルニアはとにかく授業料が高くびっくりします。
相談の案件でも、未就学者の保育に月10万円以上払うという感じのものが多くあります。教育費と親の熱意というのは、すごいものですね。
相談のなかには、モンテッソーリ教育やシュタイナー教育のために多額のお金を支払っている方もいて、コロナ自粛中の授業料を返金できないかというものも何件かありました。
私としては、そこまで幼稚園児にお金を使うのか、なんて考えてしまい、比較のために自分が東京都内で通った幼稚園を参照してみたら、なんとその幼稚園もモンテッソーリ教育をしていたらしく、同年代の人たちには現在スポーツやテレビで活躍されている有名人や政治家や実業家のお子さんもたくさんいたようです。
しかし、振り返って考えても、親の趣味で私も入園させられていたので、私は牧師さんのひげを引っ張って怒られた記憶と、絵を書いて、自分の絵が下手くそすぎて反省を促されたとか、特別な私立教育で得られたなにかがあったとは思えないのです。現在付き合っている友達もいません。それでも、私も当時東京都内有数のモンテッソーリ教育を受けたはずで、たぶん支払ったお金に見合っていなかったのではと自分で思ってしまいます。
契約は契約ですから、「過剰に支払った部分は返してもらいましょう」というのは、当たり前ではあります。でも子供はたぶん、何も考えてないと思います。その学校が嫌いだったら、すでにやめているでしょうし。コロナで過払いしているのでは?と思った時に、考えていただきたいのは、学校は、自分の子供のためだけにあるということではないこと、それから、お金が戻ってきても子供には直接プラスにはならないこと、です。
学校もかなり金銭的に困っています。私のお客様の学校でも困っているところもあります。一方で、お金を払っているのに、という気持ちもわかるところです。
教育費というのは、かなり各家庭にとっては大きな負担なのかもしれません。
しかし、教育機関というのは、自分の子供だけではなく、社会において優れた大人になるために広くたくさんの子供達が教育を受ける場であります。今後、自分の子の授業は中断したかもしれないけど、社会全般において、子供が元気に育つ可能性はあります。
子供は親が寛容であるかどうかを見ていると思います。どんなに先生が素晴らしい学校であっても、子供は親を見ています。モンテッソーリ教育とかシュタイナー教育というのも重要なのかもしれません。しかしまず、教育は親がするものだと思います。前述したように私も幼稚園で先生に怒られたことは覚えていますが、その何倍も母親から怒られたことを思い出します。コロナで中断した学校対策もしかり、家での教育もしかり、親であれば各所に文句をいうよりも、寛容でいることが子供にとっても良い教育になるのではないかと思います。
コロナで色々な歪が社会において出てきているのだな、ということを、相談案件を通じて感じますが、こういった非常時に、自分のことだけではなく、広く社会や人々の置かれている立場を理解する寛容な心がより一層重要になってくるように思います。
コロナのために、今閉ざされた社会になってしまい、アメリカで暴動が起きている原因になっている事件しかり、暴動をしている人しかり、寛容な心が足りないと思うのです。こういった不安な日々が続くときこそ、自分が強くなり、人には優しくなることが必要なのではないのかな、と感じています。
皆さんにも、人に優しく寛容な心はあります。ぜひ、みなさんもこのピンチのときに、寛容であってください。アメリカはまだまだ、コロナの影響から抜け出せません。一人でも死者が減るように、自分ができることをやりながらまた一週間がんばっていきましょうね。
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