米国企業以外取引しないと言われた場合、対応方法は?(1)_949

Golden Gate sanfran

法律ノート 第949回 弁護士 鈴木淳司
July 28, 2015

 夏野菜の収穫がたけなわになっているのですが、事件が起きました。きゅうりもかなり実をつけて、まだまだ収穫が続けられる状況なのですが、なんと根の辺りが動物らしきものに掘られてきゅうりが一本枯れてきてしまいました。もぐらはいないはずなのですが、かなり落ち込んでいます。成長させるのにかなりの労力を使ったのに、一瞬で枯れてしまうなんて酷いものです。

 こういった状況を体験すると、農家の方たちというのは、いつも災害、害獣、および害虫などと戦わなくてはならないのでしょうから、かなり大変な仕事なのだろうと想像しています。皆さんは夏を楽しまれていますか。

米国企業以外取引しないと言われた場合、対応方法は?(1)_949

 さて、今回から新しくいただいている質問を皆さんと一緒に考えていきたいと思います。いただいた質問をまとめると、「電子部品を扱う日本企業の国際関係を扱う部署に勤務しています。日本の企業として米国(カリフォルニア州)に所在する大手企業と契約をしているのですが、この度、米国企業でなければ取引をしない、ということを言われています。米国で子会社を作れば問題はないと思うのですが、その他に支社をつくるなどの方法もあるかと思います。できるだけ、現地で人を雇うことはコスト面などの問題もあり避けたいと思います。どういった方法が考えられるのか教えてください」というものです。

米国内でしか取引しない企業も少なくない

 最近は特に輸出関係の法律が強化される分野もあります。戦略物資にみなされる可能性がある部品などは昔から問題になるところであります。アメリカから外国に輸出をするのは然程難しい規制はなく、どちらかというと外国側でいろいろな輸入に関する規制がひかれていることが多くあります。

 このような各国の規制等について、コンプライアンスをするのがかなり時間もかかり労力もかかることから、米国の大手企業によっては、米国内でしか取引をしない、と内規で決めている会社も少なくありません。国内の取引であれば、面倒な輸出入規制を想定する必要はありませんし、トラブルも少なくなるからです。

 今回質問されている方の所属する会社が子会社を米国でつくって、取引をする場合、質問者の所属する会社が基本的に輸出入に関する法規のコンプライアンスを行うことになるわけです。

名ばかりの現地法人もコストはかかる

 このような背景があり、現在ではほとんど名ばかりの現地法人をアメリカで立ち上げる外国企業が少なくありません。できるだけ、コストを安くしようと思っても、会社の設立コスト、カリフォルニア州において少なくとも法的なコンタクトをするための住所設定、毎年の税務報告、など少なくともランニングコストはそれなりにかかってしまいます。これらのコストに人件費も加えると、かなり大きな取引先であれば割に合うのかもしれませんが、そうでない限り、本社にかなりの負担になる可能性はあります。

 ひとつの解決策として、今回質問されている方も考えられている支店登記をするという方法は、たぶん取引先が納得しないかもしれません。あくまでも、法律に基づく規制ではなく、取引先の内規により制限されているのですから、交渉をしたり、どのような形であれば了承してもらえるのか、聞くこともできると思います。

 しかし、カリフォルニア州で存在する支店登記というのは基本的にForeign Corporation Registrationといって外国会社の登録に過ぎません。したがって、「現地の法人」とはいえないため、取引先は渋るかもしれません。

代理店やブローカーを使う方法もある

 他の方法としては、現地で代理店を使ったり、ブローカーを使うということも考えられるのでしょうか。ただ、そのような構成にすると、口銭が発生するでしょうから、コストと利益の調整がひとつビジネス上の論点にもなります。また、取引先としても、直接会社と取引できないという事実関係が生じると、渋る可能性はありますね。

 以上のように考えると、やはり現地法人を設立するということになりそうですが、この場合どのようにしたらコストを抑えつつ、フレキシブルにビジネスをできるのか次回続けて考えていきたいと思います。

 私はなんらかの害獣に、まだ収穫がはじまっていないトマトがやられてしまうことにやきもきしていますが、皆さんは夏の行事などをポジティブに楽しまれてください。また一週間がんばっていきましょうね。


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作成者: jinkencom

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