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父が認知症に。アメリカの後見制度(4)_1204

法律ノート 第1204回 弁護士 鈴木淳司
Mar 15, 2020

 裁判所や刑務所から通知が来て、来所制限がされて、弁護活動や司法全体にもかなりウイルス問題が影響しています。たしかに、たとえば刑務所でウイルスが流行ってしまうと、内部にいる受刑者等はサニタイザーなど持っていないし、瞬く間に蔓延し、治療も十分に受けられない可能性がありますよね。

 一般的に医療保険に十分に入っていない人たちが多くいるアメリカは、罹患すると全体的な致死率が高くなるのではないかと懸念しています。皆さんの生活にも影響がでてくるのでしょうか。心身ともに注意して乗り切っていきたいところです。

父が認知症に。アメリカの後見制度(4)_1204

 さて、今回最終回にしたいと思いますが、前回まで考えてきた質問を今回も続けて考えていきたいと思います。いただいている質問をまとめると「父母と私(質問者は一人っ子の娘さん)はアメリカに長年在住している家族です。私はこちらで結婚し、家を出て子供を育てています。一昨年母が他界してから、父が物忘れもひどくなり、いわゆる認知症の状況になってきました。そこで、私の家族は父と一緒に住むことにしようと話し合っています。父の面倒をこれから見るのに、後見制度を利用したいと思っているのですが、どのように進めたら良いのか、全体像を教えてください。」という質問を考えていきましょう。

専門家に任せて後見人の責務を軽減

 前回、後見人になるとかなり継続的な負担が出てくるということをお話しました。後見人というのは、いろいろな理由で一人で生活し、判断をすることが困難な人を支える仕事をするわけです。そうすると、かなりの負担になるということはお話しました。ただ、すべてやることを背負い込む必要はなく、いろいろな専門家に任せることもできます。最終的に監督をするのが後見人ではありますが、工夫をすることによって、毎日の責務を軽減することが可能になってきます。

 まず、医療の面、デイケアなどは、医療や介護の専門家に任せることになると思います。医療などの高度な専門的な分野に関してすべてを後見人が対応することは無理ですよね。また、法律関係についても、弁護士に委任することも一般的です。法律的に難しい内容の書類をすべて理解して、咀嚼しながら進めることはなかなか大変なことであります。法律の分野も専門家に頼むことが一般的です。

 また、在宅で生活をされている被後見者であれば、その日々の面倒をみるケアテイカーも必要になってくると思いますし、このようなケアテイカーをつけることも一般的です。また、このようなケアを行うことを業とする業者も存在します。

財産面は、後見人が監督しなければならない

 問題は、財産面の管理です。この管理は必ず後見人が最終的に監督しなければなりません。ですので、どのような銀行口座や投資を持っているのか、そして、不動産や道産にはどのようなものがあるのか、リストをつくって、裁判所の監督のもと、管理をしていかなければならないのです。後見人になると、継続的に経費を支払ったり、入金を管理したり、税金を払ったりしなければなりません。かなり負担になる可能性があるので、専門の会計士などに委任をして、代行してもらうことも一般に行われています。

 このように、誰かの財産を管理し、その人の健康や生活を管理するといっても、すべて自分でやるということではなく、色々な人の助けを得ながら進めるというのが現実的です。しかし、このように専門家ばかりに頼るとコストもかなりかかってきます。被後見人の財産の全体から、被後見人の生活が守られ、そして残ったお金がちゃんと被後見人の一生のために使われるようにプランニングしていく必要があるのです。

裁判所が代替えの後見人を指定することも

 また、後見人は絶対にやめられないものではなく、後見人自身の健康が良くなかったりする場合などは、裁判所が代替えの後見人を指定することもあります。ですので、一生背負い込むといっても、被後見人の利益に沿った形で、後見人指定が変更されることも十分にありえるのですね。ただ、家族で後見人になる人がいない場合もあります。その場合には、裁判所は銀行や弁護士などを指定する場合もありますが、これはやはりバックアップの状況であります。できれば、家族に支えてもらうことが良いのですから、裁判所もその方向でまずは代替えの後見人を探すことになると思います。

 以上で、概ね後見人制度を考えてきましたが、追加の質問があればいつでも法律ノートに質問をしていただければと思います。天気も春になってきて、雨と晴れが入り交じる季節です。とにかく、健康には注意して、また一週間がんばっていきましょうね。


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