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アメリカで弁護士なしの本人訴訟(5)_1199

法律ノート 第1199回 弁護士 鈴木淳司
Feb 9, 2020

アメリカで弁護士なしの本人訴訟(5)_1199

 最近では、ウイルスのニュースが多いですが、皆さんは菌とウイルスの違いってご存知ですか。菌は確実に生き物ですが、ウイルスは科学者のなかでも生物かどうか意見が割れているそうです。ウイルスは菌と違って細胞もなく自己増殖したり自分で動けないそうです。そこで動物などが増殖するのに必要なのですね。今は人を媒介しているわけです。私は子供の頃に黄熱病の研究をしていて、「何がなんだかまったくわからない」と言い残し、亡くなった野口英世を思い出します。小さすぎて人間には顕微鏡でも見えないわけですよね。目に見えないものが人を倒してしまうのですが、不思議なことではありますね。

 さて、飛び飛びになってしまいましたが、前々回からの続きで「やっていたコンピュータ関係のビジネスを清算するために、中古ですが電子機器をまとめて他業者に売ったのですが(数万ドルのようです)、正常に稼働しないということで、紛争になっています。相手方他業者は、かなりの損害になったと主張に訴訟をしてくると言っています。払った額は戻すので現物を返してくれといっても、損害が発生しているので、それだけでは許さないといって感情的になっているようにも思います。やっていたビジネスは小規模でとても弁護士を頼むこともできないのですが、訴訟になった場合には、ネットなどでは本人だけでも訴訟もできる、ということですが、実際に訴訟を素人ができるものなのでしょうか。」という質問を考えていきましょう。

民事訴訟では超重要!ディスカバリー制度

 前回考えたのはディスカバリという制度でした。
 今のアメリカではとくに民事訴訟においては、圧倒的な地位を得ている制度です。

 この制度をどのように使うかで、和解にどのように至るか差がでるところでもありますので、難しい事件では経験がないと難しい分野かもしれません。ただ、事案がそれほど難しくない事例では、お互いにある程度は情報の交換をすることはできるかもしれません。

 とは言え、お互いに持っている情報や書類を出さないと訴訟に悪影響を及ぼすことも考えられます。たとえば、ルールに従わないと、最悪証拠が使えなくなり、訴訟で負ける可能性もあります。

 今の世の中ネットを見れば色々ディスカバリの情報も載っているので、それを利用するのは別に悪いことではないとは思います。使えそうなものは、使えば、一応真摯に対応したということには評価してもらえると思います。良くないのは、手持ちの情報を隠すことです。そのようなことをしても、ひいてはなにも有利にはなりません。

ディスカバリには期限制限あり

 ディスカバリには期限が設けられます。
 実際の事実審の前、たとえば90日までには、ディスカバリを完了して、事実審の用意をはじめなければなりません。
 弁護士が入ると、ディスカバリででてきた情報や書類を実際の事実審でどのように使うのか、かなりシビアなバトルが始まります。本当に事実を争っていると、ここが実際の事件ではキモになります。

 申し訳ないですが、この部分で、当事者訴訟でどの程度、裁判所が当事者に話をするのか、弁護士をつけるように説得するのかわかりませんが、事実審で使える「材料」の良し悪しを決めるのはプロはかなり熱く戦うところではあります。

 そして、ディスカバリが終わると、裁判所は熱心に和解を進めますし、弁護士も事件の概要が見えるので、勝つか負けるか、説得をしたりします。当事者訴訟では、そういった第三者の目がないので、ある意味怖い部分はあります。ここで、和解しないと事実審に突入することになります。

事実審ー陪審員12人を説得

 次回詳しく考えますが、皆さん事実審、すなわち陪審員12人(または民事事件はそれ以下の変則的な場合もある)に話を聞いてもらい、判断をしてもらうことになりますが、このコアな裁判の過程である事実審というのはどのようなものかご存知でしょうか。

 多くの人が勘違いするのは、弁護士が弁論して、熱く語っている部分がクローズアップされるようなことがありますが、それは刺し身で言えばツマ、フランス料理で言えば、ソースや皿の部分です。

 メインは、当事者も含んだ証人にあるのです。
 事実審というのは、弁護士が主役ではなく、もちろん判断する陪審員も重要ですが、最重要なのは誰の話を聞くのか、結局は証人の話がどうなのかに尽きます。弁護士が良ければ裁判は勝てるものではなく、やはり当事者や証人がどれだけ真摯に証言をしてくれるのかに尽きます。

 事実審というのは、証人の証言を聞いて判断されるという方式ということは理解をしてください。人間性を見られるということです。次回続けて考えていきましょう。

 ベイエリアでは桜が咲いているところもあります。暖かくて気持ち良い日も多くなってきましたね。温暖化が心配ですが、手洗いうがいに気をつけながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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