アメリカで弁護士なしの本人訴訟(2)_1191
さて、前回から考えてきた「やっていたコンピュータ関係のビジネスを清算するために、中古ですが電子機器をまとめて他業者に売ったのですが(数万ドルのようです)、正常に稼働しないということで、紛争になっています。相手方他業者は、かなりの損害になったと主張に訴訟をしてくると言っています。払った額は戻すので現物を返してくれといっても、損害が発生しているので、それだけでは許さないといって感情的になっているようにも思います。やっていたビジネスは小規模でとても弁護士を頼むこともできないのですが、訴訟になった場合には、ネットなどでは本人だけでも訴訟もできる、ということですが、実際に訴訟を素人ができるものなのでしょうか。」という質問を続けて考えていきましょう。弁護士なしで訴訟を進める価値あり
前回は少額裁判のことに言及しながら、裁判制度について考え始めました。 質問にある訴訟はいわゆる一般的な民事訴訟になりますので、一般的な民事訴訟の流れを考えながら、質問されている方でも、読者の皆さんでも、弁護士をつけずに訴訟ができるかご自身で考えてみてください。私も自分でDIYできる工事であればプロに頼まずに家の修繕などをしますので、法律についても、自分で対応できると思えば、やったら良いと思います。前回も言及しましたが、弁護士のなかには、「危ないので弁護士に相談を」という主張も見受けますが、私はやってみるのも良いのではないかと思っています。第一歩はセルフヘルプセンター
さて、民事訴訟をカリフォルニア州において自分でやろうと思う場合、ネットで色々検索する際に一番最初に見るべきなのは、セルフヘルプセンターというところです(https://www.courts.ca.gov/selfhelp.htm)。 このサイトはカリフォルニア州の裁判所がつくっているサイトであり、情報に信頼性がありますし、ここに書かれていることは、裁判所で主張する基礎にできます。法律論を細かく学んでいなくても、ここの情報に基づいて訴訟をすることはできると思います。ただ、カリフォルニア州以外の州では、まだ完全なところもないので州が違えば注意は必要です。民事訴訟の手続き-訴状と請求額
ここから、民事訴訟の段取りについて、ざっと見ていきましょう。今回だけでは終わらない内容なので、読者の皆さんは必ず続けて一緒に考えてくださいね。 まず、訴訟を提起するには、訴状(Complaint)というものが必要になります。 カリフォルニア州では、すでに用意されたフォームがあります。訴訟の性質にもよりますが、この用意された訴状を利用すれば、法律的にややこしい問題は生まれません。このフォームが利用できないタイプの訴訟であれば、私は弁護士に相談することをお勧めします。 フォームは、ある程度パターン化された訴訟のために用意されているわけで、イレギュラーな訴訟では自分で訴状を用意しなければなりません。裏を返せば、パターン化している訴訟にもっていくのが、自分でやるのであれば良いかもしれません。 訴訟を提起するにはお金がかかります。細かく費用は異なるのですが、400−500ドルくらいかかるというイメージが必要です。そして、カリフォルニア州では、三段階の民事訴訟が訴額(請求額)によって存在します。少額訴訟であれば30ドルですが、2万5千ドルまでの訴訟、それ以上の訴訟などで、細かく費用が変わってきます。ですので、訴訟する額をいくらにするか決めることも重要になります。民事裁判-どこの裁判所?
次に、「相手」を訴えるとするとき、どこの裁判所に訴えるか問題になります。 サンフランシスコの事件をロスの裁判所に訴えることはできないのです。基準となるポイントが色々あるのですが、相手方が住んでいるところ、相手方のビジネスが存在しているところ、など、相手方を基準に選ぶとほぼ問題はないと思います。 私も学生のときに、瑕疵のあるオートバイを売りつけられたことがあります。少額裁判を起こすのに、自分が住んでいる近所の裁判所を利用して、見事に却下されて悔しい思いをしたことがあります。自分ではなく、相手方の所在地を選ぶことは忘れないでください。 今回、相手方が行った訴えが法律的に成立すると、その訴訟に答えていかなければなりません。この辺から次回考えていきましょう。 バタバタする年末ですが、体調管理をしながら飲み過ぎには注意してまた一週間がんばっていきましょうね。▼DVグリーンカード抽選当選後サポート、お申込み受付中