ビジネスに活用するBビザ

October 09, 2009

 最近、長年アメリカにEビザで入国してきたのに、入国の目的を厳しく問われて、入国できなくなってしまった、といった案件が増えてきました。オバマ政権になって、想像していたよりも、移民局の対応が厳しいという現実があります。
 ブッシュ政権ではさんざんテロの脅威ということを掲げて、移民に対する対応を厳しくさせていました。現政権では、失業率の高いアメリカの経済事情が影響しているようにも思えます。

 アメリカへの入国審査の際に、目的をはっきりさせて入国しない場合、強制送還の対象にもなりかねません。今回は、アメリカへのビザなし入国(ビザウェーバー)とBビザの活用法を考えてみたいと思います。

 アメリカの経済事情によって、多くの日本企業がシリコンバレーから撤退していることもあり、多くの日本企業は日本から出張という形でアメリカに社員を送る機会が増えてきました。出張ベースですので、アメリカで賃金を得るわけではなく、就労ビザは必要はないわけです。

 問題は、出張のため、ビザウェーバー制度を利用して、アメリカに入国するときに「観光」と答えるべきなのか、「出張」と答えるべきなのか、という点です。多くの方は「観光」と答えられるのでしょうが、出張の場合は、ちゃんと出張ということを入国審査官に伝えるべきでしょう。

もし、「観光」といっているのに、出張グッズがたくさんでてくると、強制送還の対象になりかねません。出張グッズというのは、たとえば、契約の交渉先とのやりとりが書かれている書類、契約書、見本などが含まれるでしょう。最近、特に「入国の目的」は何か、ということを厳しく聞いてくるので、注意が必要です。また、長期の出張で、最長90日ビザウェーバーでアメリカに滞在できることから、90日滞在を繰り返すと、永住の意思があると見なされる場合があります。

 そこで頻繁に出張に行かれる方、長期でアメリカに滞在する方は、Bビザの取得を考えられるとよいかもしれません。Bビザは以前、ビザウェーバープログラムが日本人に用意されていない時代には、観光や出張に使われるビザでした。ですので、昔アメリカに渡航された方はBビザを取られた経験がある方も少なくないはずです。ビザウェーバープログラムを利用してアメリカに入国する場合、最長でも90日間しか滞在できません。90日以上滞在する理由はほぼありませんので、延長はできないと考えてください。

 Bビザは入国時に入国審査官が入国期限を1~6ヶ月の範囲で設定できますが、通常は6ヶ月、滞在期間が与えられます。さらにアメリカ国内滞在中に最長で1年間まで滞在を延長することが可能です。期間の点からみても、Bビザは長期出張に有利な部分があるのです。

 最近では、何度もアメリカに長期で出張する事例に関してはBビザの取得をお勧めしています。しかし、ほとんどの方は、ビザウェーバープログラムを利用してのアメリカ入国になんらかの問題が発生したあとからBビザを検討しているのが現状です。以下のような目的がある場合、Bビザを取得することは可能ですので、ぜひBビザ取得を検討されてください。

 Bビザ取得が考えられるアメリカへの入国目的は、ビジネス上の商談をする場合、科学、教育、その他の専門・商用の会議やコンベンションに出席する場合、相続案件を処理する場合、契約の交渉をする場合、短期のトレーニングに参加する場合、などです。日本の会社から出張する場合には該当する項目が一つ以上あると思われますので、取得の目的は満たすと考えられるのです。

 Bビザを取得するためには、上記の目的に加えて、いくつかの基本的な要件を満たさなくてはなりません。
主なものは、
_アメリカ入国がビジネスやその他専門分野に関すること
_滞在期間がある程度はっきり決まっていること
_アメリカ滞在中に必要となる費用等を持っているか
_スポンサーがいるか、示せること
_アメリカ国外に住居を有していること
_アメリカ国外に強いつながりがあること、です。
 一般的ですが、以上の目的と要件を満たせば、Bビザの取得は可能ですので、日本の会社において、出張ベースでアメリカに頻繁にこられる方は、取得を考えられるとよいかもしれません。

 また、次回新しいトピックを考えていきたいと思います。季節がかわっていくこの時期、体はお大事に。

また次回までさようなら。


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作成者: jinkencom

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