Eビザのすすめ

空港これからアメリカへ

Feb 03, 2003

大手電気会社に勤める私の親友が今度フィリピン人女性と結婚することになりました。国際結婚ですね。やはりいろいろビザのことや文化の違いのことなど大変そうです。しかし「愛があれば」なのでしょうか。私も様々な国際的な結婚から派生する問題に携わるので、親友の話してくれることが非常に身近に感じられます。とにかくお互いを理解しながらがんばってほしいものですし、応援したいです。皆さんの周りでも、国際結婚がどんどん増えてきているのではないでしょうか。

 さて、今回はEビザ(投資家、商用駐在員のための査証)について簡単に考えてみたいと思っています。永住権を除くと、労働ビザといえば、H-1Bビザ(専門職)、L-1ビザ(国際企業の転勤者)が代表的なものですが、Eビザという非移民ビザも多くの日本人に利用されています。「投資家」または、「投資」というEビザに付けられた一般的な呼称から、莫大な投資をしないとビザが取得できないのではないかという印象をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際、大企業または投資家がよく給付を受けているので、そのような印象をもたれるのも不思議ではありません。

 まず、Eビザの取得にどの程度の投資が必要なのか考えましょう。実は、「絶対この額の投資をしなければEビザを取得できない」という基準になる数字は存在しません。最近は、比較的少なくなってきたように思えますが、雑誌、新聞等のEビザに関する説明のなかで「最低数十万ドルは投資をしないととれない」というものがよく見られました。もちろん、その事業の内容次第では、多大な設備投資を要し、数十万ドルまたはそれ以上の投資が必要になるでしょう。たとえば、日本の本社が製造業の会社で、米国に工場を作り、米国人を多数雇い入れるというのであれば、必然的に多額の投資がなされるでしょう。

 しかし、数十万ドル未満の投資でのEビザ取得も十分可能といえます。私のかかわった申請のなかでも、何割かは、5万ドルから20万ドルの範囲の投資で申請し、高い確率で取得できています。事業の種類はさまざまです。和食レストラン、コンピューター関連、コンサルテイング、健康関連事業、マスコミ関連等です。

 参考に、和食レストランについて少し説明します。皆様もご存知のとおり、サンフランシスコおよびベイエリアは、全米でも日本人または、日系人の人口にしめる比率が大きいですし、和食料理店が非常に多いところです。和食レストランは当然和食料理人が必要になります。しかし、和食レストランがほしい人材は、簡単には見つかりませんし、日本に在住の和食料理人でいいかたがいても、条件がそろえば雇用ベースの永住権の申請はできるとしても、その待ち時間が、すくなくとも1~2年以上かかるということからすぐ呼び寄せることは簡単ではありません。

実は、Eビザでも和食料理人を呼び寄せることは可能です。Eビザを取得なさる多くの方は、投資家本人、企業のマネージャー級以上の方々ですが、Eビザをサポートする企業の必須または特有の知識、技術をもった技術者、技能者のかたがたもEビザ取得が可能です。和食料理人もそのかたがたのなかに入ります。もちろん、和食料理人にかぎらず、技術、技能系のかたであれば、いろいろなポジションの可能性があると考えられます。

 それでは、比較的小額(5万ドルないしは20万ドル)での投資で、Eビザを取得するための要点は何でしょうか。一番大事なのは、Eビザをサポートする会社の事業に関連する十分なマーケットが米国に存在し、それを証明していくことです。マーケットも小さく、需要もあまりないものであればEビザを取得するのは難しいと考えた方がよいかもしれません。そういう意味で、Eビザ申請前の入念なマーケットリサーチは非常に重要なものです。インターネットを利用し、ある程度の情報を海外からつかむことはできますが、現地での調査は、相変わらず重要なのは言うまでもありません。事務所、店舗等を構えることになれば現地での調査を欠かすことはできません。

次に重要なのは、米国での会社の事業を説明するビジネスプランです。ビジネスプランというと、どういうように内容を整えたらいいのかお悩みになるかたも多いと思います。しかし、たとえば、あまりページ数とかにはこだわらなくてもよいと考えます。簡単に言えば、事業の目的をはっきりさせ、マーケットの存在をうまく説明すればいいとおもいます。当事務所でも、多くのビジネスプランを見せていただいておりますが、ページ数は多いものの、事業目的、内容がよくわからないものもあります。そうしますと、Eビザ申請のときに、アメリカ大使館または、移民局より事業内容についての質問を受けたり、ビジネスプランをアメリカ大使館または、移民局に再提出したりということになります。

 Eビザは、9/11のテロ事件以降あるいは景気の低迷のなかでも取得することはとくに難しくなっておりません。米国としては、海外からの投資を歓迎するはずですし、その結果、現地での雇用を含め、米国経済にプラスをもたらす可能性が強いのですから、Eビザは、決して取得が難しいものではないといえるでしょう。
 またEビザを持つ外国人の配偶者は、移民局へ申請をすれば、労働許可を取得することが可能になりましたので、その意味でも家族がいる方でも利用しやすくなりました。

それではまた次回。


 
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作成者: jinkencom

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