H-1Bビザをお持ちの方々へ注意の喚起

Washington DC Capitol of the United States

Dec 10, 2001

サンフランシスコは雨が多いですが、日本の雨と違うのは、なぜか雨の一粒ずつがあまり重くないというところでしょうか。つまり、雨にちょっと濡れても、ずぶぬれになるということはないような気がします。わたしもほとんど傘を持って歩かずに過ごしています。本格的な冬に向かっていますね。風邪も流行っているようですので、皆さんお体には気をつけてください。

H-1Bビザをお持ちの方々へ注意の喚起

今回は、H-1Bビザ(以下「Hビザ」とする)をお持ちの方の、アメリカ出入国について注意を喚起したいと思います。9月11日の事件の後、アメリカへの入国が一段と厳しくなっていますが、私の事務所や他の法律事務所でもいろいろな話が入ってくるようになりました。皆さんとお話をシェアさせていただき、ぜひ注意を喚起していただきたいと思います。

在外アメリカ大使館での対応について

 アメリカ国内で学生ビザやその他の就業ビザから、Hビザを申請すると、ビザスタンプはもらえませんが、Hビザステータスを示す、I-94という書類を移民局からもらうことができますね。このI-94を持っていれば、そこに記載されている期間であれば、アメリカに合法的に滞在し、スポンサーである会社で働き、給金を得ることができます。

しかし、いったん、アメリカを出国してしまうと、日本人であれば、基本的には日本に所在するアメリカ大使館・領事館からHビザの「ビザスタンプ」を取得する必要性が生じます。アメリカ国内で有効なI-94を取得していても、もう一度、在外アメリカ大使館・領事館でビザスタンプの申請をする必要がでてくるのですね。

ここで注意していただきたいのは、アメリカ国内でI-94を受けていても、在外アメリカ大使館・領事館では許可が受けられない場合があるということです。

 最近の話ですが、他の法律事務所から聞いたのですが、インド国籍の方で、アメリカ国内で有効なI-94を受けていたのですが、インドに家族に会いに帰り、アメリカ大使館でHビザスタンプの申請をしたところ、スポンサーとなっている会社の存在が収支が不安定であるということを理由に拒否されてしまいました。在外アメリカ大使館・領事館も非常に敏感になっているということの現れですね。

もしビザスタンプが受けられないと、アメリカへのHビザでの再入国ができなくなってしまいますので、アメリカからの出国、また入国には非常に気をつけなくてはいけません。

 アメリカ国内で、I-94を受けられないといった場合には、難しい言葉ですが、外国人にとっても「手続的デュープロセス」というものが認められています。つまり、移民局が申請を拒否したとしても、最終的にはアメリカの裁判所を通して、主張をすることができます。

ところが、アメリカ国外の在外アメリカ大使館・領事館でHビザスタンプが拒否されてしまうと、そのことを不服として主張する場所が保障されていません。ここのところを念頭に置いておいてください。

 Hビザや就業ビザをお持ちの方は、アメリカ国内にいながらにして、Hビザスタンプを入手する必要があります。最近、このことにつき「JINKEN.COM」に質問をされた方がいらっしゃいますので、詳しくはJINKEN.COMの「掲示板」をご覧ください。また、皆さんの知っている情報があれば、「掲示板」にぜひ書き込みをして皆さんとシェアしていただけたら幸いです。

アメリカ入国審査とHビザについて

 最近は、アメリカに入国する際についても厳しいという話をよく聞きます。たとえば、シカゴの入国審査では、有効なHビザをもっているにもかかわらず、Hビザスポンサー以外の会社の名刺を持っていたということを理由に、不法就労の疑いをもたれ、入国を拒否されたという例がありました。

 Hビザスタンプを正当に持っている方々でも、絶対にそのスポンサーとなっている会社以外の場所で働いているということを示唆するような書類を持って入国審査に臨むのはやめてください。深刻な問題になりかねません。

 また、アメリカ入国に際して、会社のことを聞かれたり、自分自身のことを聞かれたりする場合も少なく無いようですから、できれば、しばらくの間、Hビザの申請書類を一式持ち歩くことが賢明かもしれましれませんね。

 年末で旅行が増える季節ですが、ビザで出入国をされる方は注意をしてください。では、また次回まで。


 
■ アメリカに合法滞在するにはビザ。その取得と更新から解放されるにはグリーンカード!
何と、アメリカは移民の国と言われているだけあって、毎年政府公式で、抽選で永住権が当たるプログラムを実施しています。
JINKEN.COMでは、アメリカ抽選永住権の代行申請を通年受付中!
応募期間はあっという間…申請は年に一度ですから、チャンスを逃さずに!働く・学ぶ・子育てする…永住権はすべてができます。
https://jinken.com/momsusa/dv-program

■ 弊社ご利用者様の声はこちらから
 
■ 最新の鈴木弁護士書き下ろしブログはこちらから。メールのご登録だけで、毎月10日にお届けします。

作成者: jinkencom

jinkencom について JINKEN.COMの運営者であり、カリフォルニア州弁護士として活躍中の鈴木淳司弁護士のブログです。「移民法ブログ」では米国の移民分野についてホットな話題を取り上げて月に一度更新、「アメリカ法律ノート」は広くアメリカの法律相談に答える形で、原則毎週更新しています。なお、本ブログの著作権は著者に帰属します。 *たびたび法制度が変わりますので、最新情報をご確認の上、手続きされてください。