基本情報
Q: アメリカ政府の移民法に関する公式情報はどこで確認できますか?
A: 米国市民権・移民サービス局(USCIS)の公式ウェブサイト(https://www.uscis.gov/)で最新の移民法や手続きについての情報を確認できます。また、米国国務省のビザ情報(https://travel.state.gov/content/travel/en/us-visas.html)や米国税関・国境警備局(CBP)のウェブサイト(https://www.cbp.gov/travel)でも入国に関する重要な情報が提供されています。
Q: 最近、多く寄せられている移民法に関する質問の内容は何ですか?
A: 「米国永住権を保持してアメリカで生活しているが、日本を含む外国に出かけ、アメリカに戻ってくるときに米国市民権がないために、勾留されたり、アメリカに入国ができない不安がある」という質問が増えています。
Q: なぜそのような不安が広がっているのですか?
A: 第2期トランプ政権になってから、永住権を持った人(ヨーロッパの方)がアメリカへの再入国を拒否され自国に戻ったとか、アメリカ国内で滞在資格があっても、いったんアメリカを離れて戻ってこられなくなったという事例が報道されているためです。
Q: 永住権保持者の立場はどのようなものですか?
A: アメリカの永住権保持者は、アメリカに永住する権利を持ちますが、必ず外国のパスポートも持っています。つまり、戻れる自国を持っているため、自国への強制送還も十分に考えられる事態です。
Q: 移民行政の特徴は何ですか?
A: 移民行政は「行政」ですから、ある程度政府の裁量に常時左右されているものです。同じ永住権を持っていても、個別具体的に入国の可否は変わってくるため、一概にどういう状況であればアメリカに入国できるのかを断言することはできません。
Q: 現在の移民政策の傾向はどうなっていますか?
A: 第2期トランプ政権においては、アメリカ第一主義(America First)を掲げているため、永住権を持っていたとしても、外国人の入国に関してはかなり厳格に審査をしています。この傾向がしばらく緩和されることはなさそうです。米国国土安全保障省(DHS)の公式サイト(https://www.dhs.gov/immigration-policies)では、最新の移民政策や変更点が公開されています。
再入国の問題と注意点
Q: 現在の状況を受けて、永住権保持者はどのような対応をしていますか?
A: 永住権から米国市民権への切り替え申請する方が激増しているようです。
Q: スマートフォンやコンピュータに関して、どのような注意が必要ですか?
A: 何らかの疑いをかけられた場合、スマートフォンやコンピュータの内容をチェックされる場合が増えています。特にソーシャルメディアなどを使う方は、どのような思想を持っているのか、どのような情報に接しているのかなどを、AIを使って分析されることがあります。
Q: ソーシャルメディアの使用について、どのような点に気をつけるべきですか?
A: 政治的な表現については特に注意が必要です。考え方の多様性は否定される傾向にあるためです。どこでどのように見られているかわからず、どのような角度で解釈されるかわからないため、ソーシャルメディアの使用はセンシティブになるべきものです。
グリーンカード取り消しの可能性
Q: どのような犯罪行為によって永住権が取り消される可能性がありますか?
A: 以下の犯罪で有罪となった場合、強制送還、また再入国拒否の対象になる可能性があります:
- 重罪(Aggravated Felonies):殺人、強盗、不同意性交、麻薬売買、売春関連など
- 道徳違背の犯罪(Crimes Involving Moral Turpitude):詐欺や窃盗など
- 家庭内暴力や児童虐待の罪
- 薬物関連犯罪
これらの犯罪カテゴリーの詳細については、米国市民権・移民サービス局(USCIS)の公式ウェブサイト内の「Grounds of Deportability」(https://www.uscis.gov/policy-manual/volume-12-part-d-chapter-2)および「Criminal Grounds of Inadmissibility」(https://www.uscis.gov/policy-manual/volume-8-part-b-chapter-4)で確認できます。
Q:第2期トランプ政権は重罪に対してどのような姿勢ですか?
A: 重罪については断固として強制送還をする、と言っています。犯罪歴がある永住権保持者は、弁護士に相談することが重要です。
Q: 永住意思の放棄(居住放棄)とは何ですか?
A: 以下のような場合に永住意思の放棄とみなされることがあります:
- 長期間(通常6か月以上、1年間まではグレーゾーン)米国外に滞在し続けた場合(再入国許可なし)
- 他国に永住の拠点を作ったとみなされた場合
- 米国に永住する意思がないと示す言動をした場合
Q: アメリカを離れる際には、どのような対策をしておくべきですか?
A: アメリカが生活の拠点であると示せる書類をできるだけ多く携帯しておくことが良いでしょう。例えば:
- 不動産を持っていれば、その関連する書類
- 家族がいれば、その写真や連絡先
- 仕事をしていれば、そこで働いていることを示せる書類
- 保険などに入っていれば、その書類など
また、長期にアメリカを出る場合には、再入国許可証(Form I-131, 渡航許可証または「Reentry Permit」)を取得しておくことを強く推奨します。この申請方法と重要性については、USCISの公式サイト(https://www.uscis.gov/i-131)で詳細が確認できます。CBPの「Returning Resident Visas」のページ(https://www.cbp.gov/travel/international-visitors/visa-waiver-program/returning-resident)も参考になります。
Q: 移民局に対する詐害的、虚偽的な申告とは何ですか?
A: 永住権を得る際に、虚偽の事実や偽造書類を使った場合、申請時になんらかの事実を隠したりした場合(例えば偽装結婚など)には、永住権を取り消すことができると移民法に規定されています。
Q: 条件付き永住権保持者が注意すべき点は何ですか?
A: 婚姻または投資に基づいて条件付き永住権を持つ方は、以下のような条件解除の手続きを怠ると再入国が拒否される可能性があります:
- 婚姻による条件解除のためのForm I-751の未提出
- 投資による条件解除のためのForm I-829の未提出
- 追加で要求されている面接および証拠の提出を怠った場合
アメリカから出国する前に必ず条件を満たしていることを確認してから出国してください。条件付き永住権の解除手続きの詳細については、USCISの「Remove Conditions on Permanent Residence Based on Marriage」(https://www.uscis.gov/green-card/after-green-card-granted/conditional-permanent-residence/remove-conditions-on-permanent-residence-based-on-marriage)および「Remove Conditions on Permanent Residence Based on Entrepreneurship」(https://www.uscis.gov/green-card/after-green-card-granted/conditional-permanent-residence/remove-conditions-on-permanent-residence-based-on-entrepreneurship)で確認できます。
Q: どのような移民法違反が再入国禁止につながる可能性がありますか?
A: 例えば、米国市民でないのに選挙で投票した、または米国市民であると虚偽の申告をしたといった場合には、移民法に反する行為として再入国が禁止される場合があります。誤解を招くような行為、例えば選挙に関するあからさまな活動などは控えるべきです。
国家安全に関する問題
Q: 「国家の安全」に関してどのような点が問題になりますか?
A: 「国家の安全」を脅かす内容は大きく分けて以下の3種類です:
- スパイ行為
- テロ活動
- 米国の国家安全保障への脅威 これらの疑いがあれば、再入国を禁止できるとされています。
Q: 「国家の安全」に関する注意点は何ですか?
A: これらの行為に実際に関わったことは必要ではなく、あくまでも「疑い」程度で足りるとされていることに注意が必要です。この「疑い」については、行政の広汎な裁量によって対応されるため、どのような理由をつけられるのかがブラックボックスになっています。インターネットのように公に情報がアクセスできる行為は誤解を招かないよう注意が必要です。
Q: トラブルになった場合の対応方法は?
A: どのカテゴリーで問題視されているのかを自分なりに特定し、そのカテゴリーにあった弁明をするのが良いでしょう。不安が残る方は、しばらく入国拒否の事件などが裁判で争われて落ち着くのを待ってからアメリカを出国されたほうが良いかもしれません。
市民権と今後の対応
Q: 市民権を取得しても問題がなくなるのですか?
A: 必ずしもそうではありません。帰化して市民権を得た永住権保持者は、場合によっては市民権の取消をされてしまうこともあります。例えば、元ナチスに所属していた人が市民権を得ても強制送還されるという事例もありました。
Q: 現在の状況ではどのような対応が賢明ですか?
A: 現状では、現政権が様々な改革を推し進めていて不安定なため、しばらく移民行政も司法による判断や政府による明らかな指針が出てくるまでは動きを控えるのも一つの考え方です。永住権保持者やビザ保持者はアメリカ国内に滞在している以上、強制送還前であれば、アメリカ合衆国憲法が適用されるので、デュープロセスなどを使って司法において争うことが可能です。不要不急であれば、アメリカ国内に留まり様子を見るというのも一つの考え方かもしれません。法的権利については、米国司法省の「Rights and Responsibilities of a Permanent Resident」(https://www.justice.gov/sites/default/files/eoir/legacy/2011/08/25/RightsResGreencardWeb.pdf)で詳細が確認できます。
Q: 移民政策の動向を把握するにはどうすればよいですか?
A: 日々現政権の方針は変わってきているようですので、その動きを敏感に抑えるために、ホワイトハウスの広報(https://www.whitehouse.gov/briefing-room/)や米国国土安全保障省(DHS)の最新ニュース(https://www.dhs.gov/news-releases/press-releases)、米国市民権・移民サービス局(USCIS)の政策アップデート(https://www.uscis.gov/policy-updates)を含め、注視することが重要です。
