アメリカで雇用する際の注意点(4)_1416

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1416回 弁護士 鈴木淳司
May 5, 2024

この週末に、1999年から懇意にしていた方が亡くなったので、葬式のかわりに行われていた偲ぶ会に出席してきました。
田舎での白人ばかりの会に私が姿を現すと、最初は「なんだ」という感じの視線でしたが、私が誰かわかると皆さん、涙ぐんで抱擁の嵐となりました。
私も亡くなってしまった方とその旦那さん(すでに他界されている)にとてもお世話になり、私も色々お世話しました。
25年の思い出はかなりの量になります。ご家族と思い出話に耽りました。
刑務所に入っていた息子さんも良い年になり、今では立派に自分でビジネスをやられています。
お孫さんの刑事弁護をしたこともありますが、その子も立派になって働いています。
四半世紀の思い出を反芻していると、涙が抑えられませんでした。そして寂しいものです。

アメリカで雇用する際の注意点(4)_1416

さて、前三回考えてきた、「Webなどのデジタル系デザイナーをしています。受注が増えてきたことから、今まで外部のデザイナーに外注していたのですが、一人新たに専属で採用をしようと思います。新規採用をするとなると、外注に比べて色々な面で注意が必要と友人やネットの情報で目にします。どのようなことを注意しなければならないでしょうか」という質問を続けて皆さんと考えていきましょう。

就業規則の作成

 前回は、どのような内容を就業規則に盛り込むのか、ということについて考え始めました。
雇用者、被用者の権利義務を網羅する質の高い就業規則であれば、人数が少ない職場でも作成をお勧めします。

 前回、連邦の法律に関わる就業規則に盛り込む内容を考えました。
今回は、州関連の規則について考えてみます。

カリフォルニアの雇用関係法

カリフォルニア州にもかなりの雇用関係法がありますが、休憩時間、病欠、家族に関する病欠、出産育児休暇、陪審員としての出席のための休暇、投票のための休暇、など様々な合法的に仕事に従事しなくても良いシナリオを規定しています。
これらについて、雇用者も従業員もよく知っておく必要があります。

At-Will雇用と2週間前通知

 それから、就業規則に書かれることが多いですが、カリフォルニア州では、At-Will雇用と言い、いつでも辞められるし、いつでも解雇できるというのが基本です。
少なくとも二週間の通知を前置することが必要ですが、この原則論を覚えておく必要があります。

日本の労働基準法のように解雇が難しいシステムではないのは、文化の違いだと思います。
もちろん、差別的な解雇など例外的な場合はありますが、基本的には、このAt-willという考え方がアメリカには根強くあることは理解してください。

Exempt、Non-exemptという考え方

 また、今回は深く立ち入りませんが、雇用をする場合には、ExemptとNon-exemptという考え方があります。
Exemptというのは、専門職、管理職のようにある程度の給与を約束するかわりに時間外労働分は支払われないという職種の人達です。

一方で、Non-exemptというのが、一般的な職種を指して、時間外労働分の支払いを受けられる人たちとなります。
通常はNon-exemptが基本的な労働形態になりますので、どのように時間を記録するのか、休憩時間は取ったか、などを明らかにする方法が就業規則には書かれています。

今回、雇用をするという質問ですが、このExemptかNon-exemptについては、重要になってくるところですので、注意して設定されてください。
訴訟が多い論点でもあります。

給与は月2回支払い

 次に給与に関して考えていきましょう。

給与は通常アメリカでは月に二回(Bi-weekly)の支払いが基本です。
そして、源泉徴収をする必要もでてきますので、通常はペイロール・カンパニーという給与計算、支払等を代行する会社がありますので、そのようなセットアップも必要になってくると思います。
この辺も雇用を生み出すとなるとコストがかかる部分ではあります。

失業手当の積立は州の義務付け

また、州の義務付けで失業手当の積立も必要になってきます。
怪我、疾患、解雇などの場合の手当については、ワーカーズコンプといって、そのセットアップと支払いをすることも必要になってきます。

 このように、雇用をしようと思うと多岐にわかって考えることが出てきます。
業務を拡大していくことは良いのですが、雇用を拡大すると色々なコンプライアンスの論点がでてくるわけです。
一人でやっていれば、一番荷が軽く、楽な部分もありますので、今回質問されている方も費用対効果を考えながら、進められると良いと思います。

 今回いただいた質問に関しては、ここまでとして、また他に雇用に関する論点が質問で出てきたらそこで考えていきましょう。

雇用の問題は果てしなく広範囲ですので、読者の皆さんも質問があれば法律ノート(question@marshallsuzuki.com)までお気軽にご連絡ください。

次回また新しくいただいている質問を考えていきましょう。

皆さん花粉は大丈夫ですか。
私の周りでもやられている人がかなりいるようです。
季節替わりでは色々なことがありますが、体調に注意しながらまた一週間がんばっていきましょうね。



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作成者: jinkencom

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