法律ノート 第1341回 弁護士 鈴木淳司
Nov 19, 2022
来週はサンクスギビングです。
コロナ明けということもあり、かなり飛行場や交通機関は混雑するのではないかとラジオで言っていました。
私はサンクスギビング明けに陪審裁判がはじまるので、準備でホリデーどころではなさそうです。
しかし、陪審裁判をする裁判所は未だにコロナに怯えていて、トライアルもなんとビデオ会議システムで行うそうです。
刑事事件はかなり法廷での活動が復活していますが、民事はまだまだなのですね。
しかし、ビデオでトライアルをやった経験がないので、心配な点もいくつもあります。
裁判が終わったら、法律ノートでもビデオトライアルについてご紹介していきたいとことではあります。
米_お金を貸した相手が行方不明(2)_1341
さて、前回から「カリフォルニア州に住んでいる者です。コロナ禍のとき、同じアパートに住んでいる住人と仲良くなり(両家庭ともステイホームをしていたと思われる)、お互い家族も含めよく話すようになりました。なんでもご主人の仕事がコロナの影響でなくなったということで、借金を申し込まれ数千ドルを貸しました。その後、突然その住人は引っ越してしまい居所がわからなくなってしまいました。簡単なお金の貸し借りに関する契約書も結んでいますし、領収証などももらっています。長く放置するとお金が返ってこないということも知っています。弁護士に相談しましたが、弁護士に委任するには金額が見合わないと言われています。このような場合どのようにお金を返して貰える方法があるのでしょうか。」という質問を考えはじめました。色々な方法が現在では用意されているので、相手方の住所を探すことが第一になるということを考えました。ここから続けて考えていきましょう。
少額裁判を提起するには、まず相手の住所
少額裁判を提起するには、相手がどこにいるのか場所が必要になります。
原則として、今回の相談でいうと、相談者の住所ではなく、相手方の住所を管轄する少額事件裁判所に提起をする必要があるのです。
そうすると、やはり住所を調べなくてはなりませんよね。
相手の住所を特定するには
前回考えたように、大家さん、友人家族、そしてSNSに当たるのが第一になります。
しかし、それだけでは住所が特定できない場合もあります。
今回いくつか住所を特定する方法を考えてみます。
まず、郵便局に住所変更、転送手続きをしている可能性は大きいので、近くのUSPSに相談してみる必要があるでしょう。
フォームを記入すると住所を教えてくれる可能性が大きいので、まずは郵便局には相談に言ってみるのが良いと思います。
オンラインでもある程度情報は提供されています。
SNSや他のオンラインでも情報が提供されていることがあると前回考えましたが、かりにその相手方の電話番号を知っていれば、Reverse Phone Directoriesといって、電話番号から、住所をたどる方法があります。
無料のもありますし、有料のサービスもありますので、気をつけて選んで使用すると良いと思います。
次に、だいたいどの郡にいるのかわかれば、各郡には登記所(County Records)や税務オフィス(County
Assessor’soffice)というところがありますので、そこに行くと、税金、不動産、ビジネス、出生証明など、行政に関する記録が用意されていますので、一般の人でも利用できる可能性がありますので、行ってみて情報を収集するのも良いかもしれません。
それから選挙人登録が考えられます。
Voter registrationはその人の住所を登録しているので、その住所を確認することで、現住所が把握できるかもしれません。
場合によっては、刑務所に入っているかもしれません。
その場合には、受刑者の情報はオンラインで確認できますので、各州のプリズン、連邦のプリズンなどのデータベースで確認することは可能だと思います。
このように、まずは、相手方の住所を確認し、その住所を管轄する裁判所を特定することが第一歩となります。
かりに特定が難しければ、相手方不詳で裁判を提起することができますが少額訴訟制度では使えません。
一般的な民事事件を相手不詳で提訴して、召喚状などを利用して、住所の証拠を抑えることになるでしょう。
仮に相手方の住所が特定できたとした場合、基本的に、少額事件裁判所(Small Claims Court)というのを利用することになります。
どの程度の金額(訴訟物)までなら、Small Claimsとなるかは、必ず確認する必要があります。
カリフォルニア州では例外がありますが基本的に、上限額は1万ドルとなっています。
次回続けていきましょう。
皆さんターキーの準備をされているのでしょうか。
私は忙しくてターキーどころではなさそうなのですが、美味しいお酒とターキーを楽しんでくださいね。
■関連記事
米_お金を貸した相手が行方不明(1)_1340
知り合いに貸した数万ドル、回収するには?ー少額訴訟[1]
■アメリカの永住権を抽選で取得ーDiversity Immigrant Visa Program
アメリカの永住権を抽選で取得する制度があるのをご存知ですか?
日本からも、毎年永住権者が生まれています。
応募サポート希望の方はこちらから
日本出生の方は、高校卒業時点からご応募ができます!当選後も安心のサポート。まずは正しい応募から。
■グリーンカードDV当選後サポート
グリーンカードDV抽選に応募して、当選の確認を忘れていませんか?当選は、忘れた頃にやってきます!
グリーンカード当選後サポートはこちらから
充実した当選後サポートで、安心してグリーンカード取得まで進めましょう。家族・仕事・結婚・離婚・海外在住・介護に闘病と場面は様々ですが、お客様のニーズに柔軟にお応えしています。
■関連サイト
カリフォルニアで起業をお考えですか?
まずは、州のページで登録事項を確認
ニューヨークで起業をお考えですか?
まずは、州のページで登録事項を確認