法律ノート 第1214回 弁護士 鈴木淳司
May 26, 2020
メモリアル・デーの三連休ですが、なんだかいつもと違って、「三連休」の意味があるのだかないのだか判らないような週末でした。シェルターインということで、未だに自宅待機の日々が続いていますが、このまま永続的に自宅で仕事をすることを許すIT企業もかなりでてきているようですね。法廷などに付き合わなければいけない弁護士としては少々難しいところですが、今回のウイルス騒動で、はて、オフィスは必要なのかと思わされる一面もありますね。皆さんのお仕事はどのような状況なのでしょうか。
19歳の娘は交際相手に問題あり。連れ戻せるか?_1214
さて、前回考えてきた「昨年カリフォルニア州の高校を卒業した娘(19歳)のことについてご意見を伺えると幸いです。高校のときから付き合っている同級生の男性と高校を卒業するあたりから同棲をはじめ、大学進学もせずに1年以上フラフラしています。親への連絡も怠りがちな状態です。この同級生の男性は21歳以下にもかかわらず酒浸りで、さらに最近になり、麻薬で逮捕されたということで、どうしても娘を私どもの家にいったん連れ戻したいのですが、何か法的な方法はないものでしょうか」という質問を続けて考えていきましょう。
18歳で名実ともに成人
基本的に18歳に達してしまうと、いくつか例外はありますが親のコントロールから確実に離れてしまうという状況となります。18歳になれば投票もできるわけですし、もう大人として考えられているのですね。飲酒や合法な薬物についても21歳の壁をつくっていますが、18歳で成人とみなされるアメリカでは、いかにセルフコントロールができるのか、という試金石になっているのであって、やはり大人として扱われるのは基本的に18歳ということになります。
今回の質問についても、前回考えたようにやはり基本的には18歳で成人ですので娘さんが自分の意思に基づいて、自分の今の生活や将来をどうしたいのか考えるのは、本人の自由ということになりそうです。
18歳までに色々教えてあげるのが親の役目であって、それまでに培ってきたものしか親がしてあげられた、と言えることはないわけです。
そうすると、今回の質問にあるような事例では、本人が良かれと思ってやっていることについて、法的に親が何か言うことはできないわけですね。
法律論から外れて
ただ、18歳といっても親のお金を使っているのであれば、それについてのコントロールは親ができるわけですから、法律論ではなく、一家の経済論として、何かタガになる可能性はあり得ます。ただし、それは法律の話ではないわけです。
法律によって、今回の質問にあるような場合には、娘さんの現在居住する郡を統括する薬物関係の公的なカウンセリング、警察などに相談することが考えられます。また、ソーシャルワーカーなどの対応を要請することも考えられます。
法律論がかかわってくるのは、警察が出てくるときです。
時によっては逮捕されたりすることもるでしょう。
しかし、警察に通常逮捕されるというのはある意味大人として認められていることになります。私は今回の質問のような事例があった場合、警察の世話に一度なってみるのも「あり」なのではないかと思っています。薬物を頒布販売しておらず、所持だけであればかなり罪は軽く、刑というよりはどちらかというと教育を主眼にしていることが大多数だと思います。ある意味社会の厳しさに触れるのも一つの教育かもしれません。
社会人としての意識
ただ、男性との同棲関係をすぐに解消することは、本人の意思次第ということになり、親は何も言えません。犯罪者を愛することもあるでしょう。
親の期待にそぐわないのかもしれませんが、18歳になってしまうと、子供がいくら自分の手の中にあると思っていても、コントロールが効かなくなってしまうのですね。子供の教育というのは、18歳までであると割り切らないといけないのかもしれませんし、子供の教育に失敗したと思っても、親離れ子離れが現実に18歳で起きるわけですから、もう子供ではなく一人の社会人として判断していかなくてはならないと思います。
次回あたらしくいただいている質問を考えていきましょう。春が終わって初夏の気候のカリフォルニアですが、なんだかまだ切ない状況にあります。人と会えないのは寂しいですが、その人を感染させては失礼だという気持ちをもちながらまた一週間がんばっていきましょう。
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