米_外国人の住宅ローン取得_1508

法律ノート 第1508回 弁護士 鈴木淳司
Jan 19, 2026

今年2月にはサンノゼ近くのスタジアムでスーパーボールが行われるので、地元のチームである49ersが勝ち上がらないかと期待をして、仕事をちゃんと終わらせ、この週末のプレーオフの試合を観ていたのですが、シアトルに完敗しました。シアトルに昨年から着任したマクドナルド監督は、すごいチームをつくりました。スター選手や監督が去っていく時期でもあり、少し寂しい気持ちはありますが、若い世代に代替わりしているシアトルにはどんどん頑張ってほしいですね。


さて、今回から皆さんからいただいている質問を考えていきたいと思います。いただいている質問をまとめると「現在家族とカリフォルニア州に住んでいます。私は3年前に日本企業から命じられてカリフォルニア州で駐在をしていました。帰国命令に合わせて転職しました。家族のために家を買いたいと思っています。現在H-1Bビザ(専門職ビザ)で滞在していて、永住権を申請している状況です。現在のビザ保持をしている状況で、外国人排斥の動きもあるなかで、住宅ローンというのを普通に組めるのでしょうか。」というものです。

アメリカで外国人はローンを組めるか?

アメリカにおいて、住宅ローンを借りられるかどうかは、アメリカ人だけではなく、アメリカに定住しようとしている外国人にとっても深刻な問題です。住居費が高い国ですから、家賃の値上げに左右されることがない不動産の購入は魅力的と考える人は少なくないわけです。現在、昨年からの外国人に対する締め付けの傾向がキツくなっているという状況があります。米国市民権または永住権(グリーンカード)を保持していない外国人であっても、一定の条件を満たすことでカリフォルニア州の不動産購入のためのローンを取得することが可能なのでしょうか。

締め付けは厳しいがローン自体は可能

結論から言うと、外国人に対する締め付けが強くなってきている現状ですが、市民権や永住権がなかったとしても、不動産ローンを外国人が組むことは可能です。関連する法律を考えていきましょう。

まず、カリフォルニア州法は、市民権の有無に基づいた不動産所有権の制限を設けていません。カリフォルニア州憲法および州民法(Cal Civ Code § 671)に基づき、非市民は市民と同等の不動産に関する権利を有すると定められています(Wong v. Tenneco, Inc., 151 Cal. App. 3d 376)。また、外国の金融機関についても、特定の法定規定(Cal Corp Code § 191など)を遵守する限り、州内ビジネスの取引とみなされることなく、カリフォルニア州内での貸付活動に従事することが許可されています。したがって、外国人や外国企業に関する法的な制限は少なくともないことがわかります。

カリフォルニア州法に特定の制限はない

そして、カリフォルニア州金融法(Cal Fin Code § 18437)に基づき、金融機関は、以下の2つの条件を満たす場合に限り、非居住者に対しても居住用または非居住用不動産の購入資金を融資することが認められています。1つ目は、当該ローンが二次市場(セカンダリー・マーケット)で販売可能であること、2つ目は、貸し手によるローンの保有期間が90日以内(ローンを他の金融機関に売買が可能であること)であることです。いわゆる組んだローンについて貸し手が市場で売れる商品については、外国人も隔たりなくローンを受けることができます。日本国籍者がカリフォルニア州で不動産ローンを取得する場合、州法において取得を妨げるような特定の法的制限や要件は存在しません。連邦法に関しても、今日現在では制限は規定されていません。

出身国に基づく差別は禁止

また、カリフォルニア州法(Cal Gov Code § 12955, § 12927)は、ローンを含む不動産関連取引において、出身国に基づく差別を禁止しています。これにより、日本国籍を持っていても、取引において平等な扱いを受けることが保証されています。興味深いのは、日本国民については、1911年の日米通商航海条約以来、日米間の合意に基づき、日本国籍者は居住および商業目的での土地賃借権が認められていることです。これにより、日本国籍者は不動産関連事項において、一般市民に課される条件に従うことを前提として、自国民と同等の権利と特権を享受することが保証されています(Gonzales v. Ito, 12 Cal. App. 2d 124; State v. Tagami, 195 Cal. 522)。

上記のように、現行法においてアメリカでローンを組むことについて、日本国籍者に特段の障壁はありません。ただ、外国人であることで、アメリカに居住できる年数がビザによって決まっていたり、収入の要件について、さらなる審査があったりしますので、平等に借りられるといっても、審査は実質的に厳しくなるかもしれませんね。また、この法律ノートに関する質問があったら具体的に取り上げていきましょう。

三連休で天気も良いので皆さんは外出を楽しまれていますか。カリフォルニアは1月とは思えない良い陽気であります。まだまだインフルエンザの話はどこでも出ていますので、体調には気をつけつつ、陽気を楽しんで一週間がんばっていきましょうね。


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作成者: jinkencom

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