米国_OビザとOステータス

Washington DC Capitol of the United States

じんけんニュース 11-05-2024 弁護士 鈴木淳司


私の所属する事務所には、有名なアーティストさんのクライアントがいらっしゃるのですが、最近O-1Bビザというのを利用してアメリカでの合法滞在を実現されていらっしゃいます。

O-1Bビザは「Individuals with an extraordinary ability in the arts or extraordinary achievement in motion picture or television industry」と定義されているのですが、最近ではいろいろな職種で、取得に成功しています。

今回は、このO-1というステータス・ビザについて取り上げてみたいと思います。

O-1ビザの許可をもらいアメリカ国内に滞在する場合には、最初の許可期間は最長3年、そしてその後の延長申請は1年毎の更新が要求されていました。

ところが、最近の延長申請を行ったところ、約3年のビザ更新が認められた事例が出てきました。

たとえば、私の事務所でも扱っているスポーツ選手などは、たとえば契約を何年間という形で期限が確実にもらえている場合があります。

このような場合では、1年間を超える延長申請も認められてきたのですが、このように期間が明確に定まっていない将来であっても最近では1年間以上の延長申請が認められるようになってきたのです。

このように、複数年の延長が一般的になってくると、Oビザが格段に魅力的になってきます。

ちなみにスポーツ関連のOビザは、O-1Aビザといい「Individuals with an extraordinary ability in the sciences, education, business, or athletics (not including the arts, motion pictures or television industry)」という定義となっています。

スポート選手でなくても関連していれば許可を得る可能性があるビザです。

最近では、H-1Bビザの飽和や許可を得るときに詐害的な行為をする申請者もいて、日本人でもなかなかH-1Bビザが取得できないという実情もあります。

ですので、「ビジネス」という観点で考えると、基本的にはEビザ、Lビザというビザくらいしか取得ができないと考えられることも多いです。

しかし、上記のように、Oビザ、また、場合によっては興行などで使うPビザなど「ビジネス」という観点とは少し違った観点から定義が設定されているものがあります。

アメリカで最終的にビジネスの道を拓くためには、別にEビザやLビザにこだわらずにいろいろなオプションを考えてみるのも良いかもしれません。

私の所属する事務所にも、八方塞がりで連絡をしてくるという例も少なくありませんが、世の中にはいろいろなオプションがあり得るものなのですね。

皆さんも、アメリカでなにか挑戦したい、と思われている場合にはフレキシブルに色々相談されるのが良いと思います。

また次回新しいトピックを考えていきましょう。

作成者: jinkencom

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