法律ノート 第1367回 弁護士 鈴木淳司
May 22, 2023
私が顧問をしている企業の会長が米寿を迎えるということでお祝いの会に招かれ出席しました。
政治家や企業のトップの方々などが参加されていて、錚々たる会でしたし、会長の人生を色々聞くことができて心温まる会になりました。
私も久しぶりに忙しく名刺交換をしましたが、お会いする出席者の方々はマスクされていませんでした。
コロナが終わり、また楽しいパーティーなども開かれるようになったことはとても嬉しく、ちょっと飲みすぎました。
皆さんも、集いやパーティーなどに出席されて、ポストコロナを楽しまれていらっしゃいますか?
米_しつこい元彼への対処法(1)_1367
さて、今回からまた新しく皆さんからいただいている質問を考えていきたいと思います。
いただいている質問をまとめると「私は日本から来て現在ロサンゼルスに住む留学生(女性)です。ロサンゼルスで4年制大学に編入するまで、ベイエリアにしばらく留学生として住んでいたのですが、そのときに付き合っていた男性(現在は関係がない)が未だにしつこく連絡をしてきます。直接自宅を探されて来られてしまうのも怖いですし、怒ると暴力的になる人だったので、何か危害を加えられるのではと不安な毎日を過ごしています。実際まだ、何かされたわけではないのですが、警察や弁護士に相談するべきだと周りから言われています。どのように対応したらよいのか教えてください。」というものです。
いただいている電子メールでの質問はかなり長かったのですが、一般的な内容に圧縮させていただきました。
どこに相談するのが良いか
さて、今回の質問を考えるうえで、まずどこに相談するのが良いのか、という問題があります。
友人に相談しても、すぐに抑止的な効果が得られるのかは微妙なところです。
相手のことをよく考えないと逆効果
今回のように、以前付き合っていた男性と相談者の間に話ができる共通の友人や男性側の親族がいて、連絡を一切やめるように言ってもらい、解決するのであれば、それが一番手っ取り早そうです。
しかし、このように友人や男性側の親族を利用して、状況を鎮圧しようと思っても、その男性の性格や、説得する人との関係などをかなり注意深く考えてから進めないと、逆効果にもなりかねません。
私としては、友人、親族を巻き込むことについては、実際に相談を受けてもなかなか回答できないところです。
人間関係をそこまで知らないのでアドバイスしづらいというのが本音です。
相談したことでバックファイアするかもしれませんから、注意深く考えるべきだと思います。
弁護士に相談するのもケースバイケース
次に弁護士に相談することも考えられます。
弁護士に相談をして、その付き合っていた男性に手紙を送るということを考える方もいるようですし、実際にそのようなことを受任する弁護士もいると思いますが、私は効果ないと思っています。
日本では、よく内容証明の形で弁護士名義の通知書などを出します。
相手に何かを伝えて、事後の証拠にするという意味はあるかもしれませんが、男女問題で通知書などを送って、すんなりそこに書かれている内容を理解してもらえるかというと疑問です。
抑止効果はさほどないと思っています。
逆効果になる場合も多々あると思います。
弁護士名義で、相手に連絡を一切やめるように言ったとして、そのあと、男性が何かしてきたとしても、具体的に弁護士ができるわけではありません。
また、弁護士に相談することでお金もかかるかもしれません。
ですので、直接弁護士に依頼するのは、今回の質問のようなケースではかなり慎重になったほうが良いかもしれません。
女性の為の相談所を利用する
今回の質問のように具体的にはまだ何か危害が加えられていない場合には、女性のために設置された相談所がアメリカの各地にあります。
かなり規模も大きく、受けられるサービスも多岐にわたります。
また、州や郡などから補助金を受けて、カウンセラーだけでなく法律の専門家なども常駐しているところがありますので、まずは、このような相談所を検索して、相談をするのが良いと思います。
たとえば、ロサンゼルスでは、郡の公衆衛生局が色々なリソースを提供しています。
(https://dpss.lacounty.gov/en/jobs/gain/sss/domestic-violence.html)
このように公共機関が提供しているサービスは、警察とも連携をしているので、状況が悪化した場合にもすぐに警察にも連携してくれると思います。
警察に被害届を出すことも可能
もう一つの方法としては警察に直接連絡するということが考えられます。
被害届(Police Report)を出すことは可能だと思いますが、今回の質問に関しては、まだ具体的に危害が生じていないので、警察によっては、被害届の提出に積極的ではないかもしれません。
危害が生じてないならまずは相談所
私のおすすめは、上述したように、公共機関が協力してサービスを提供している相談所をまず利用されることがベストだと思っています。
次回、接近禁止命令などを考えていきたいと思いますので、続けていきましょう。
カリフォルニア州は冬に雨が多く、蒸した夏になるという観測もあります。
もう夏の話題が多くなってくる季節ですね。
皆さんもどこかに旅行などを計画されているところでしょうか。
楽しいことを考えながらまた一週間がんばっていきましょうね。
■関連記事
口論からドメスティック・バイオレンスで逮捕。行方は?(1)_1224
アメリカでの警察への通報
米_しつこい元彼への対処法(2)_1368
■アメリカの永住権を抽選で取得ーDiversity Immigrant Visa Program
アメリカの永住権を抽選で取得する制度があるのをご存知ですか?
日本からも、毎年永住権者が生まれています。
応募サポート希望の方はこちらから
日本出生の方は、高校卒業時点からご応募ができます!当選後も安心のサポート。まずは正しい応募から。
■グリーンカードDV当選後サポート
グリーンカードDV抽選に応募して、当選の確認を忘れていませんか?当選は、忘れた頃にやってきます!
グリーンカード当選後サポートはこちらから
充実した当選後サポートで、安心してグリーンカード取得まで進めましょう。家族・仕事・結婚・離婚・海外在住・介護に闘病と場面は様々ですが、お客様のニーズに柔軟にお応えしています。
■関連サイト
カリフォルニアで起業をお考えですか?
まずは、州のページで登録事項を確認
ニューヨークで起業をお考えですか?
まずは、州のページで登録事項を確認