口論からドメスティック・バイオレンスで逮捕。行方は?(1)_1224

法律ノート 第1224回 弁護士 鈴木淳司
Aug 03, 2020

 暑くなったらウイルスの活動が縮小するというのは間違いでしたね。一向に収束に向かっておらず、カリフォルニア州ではどんどん罹患者数があがっている状況にあります。経済だけではなく、学校も秋からどうなることやらで、先が見通せないことが精神的にも人々に影響しています。現在ではやはりワクチンを待つしかないのでしょうか。皆さんは心身ともに健康に暮らされていますか。

口論からドメスティック・バイオレンスで逮捕。行方は?(1)_1224

 さて、今回から新しく頂いている読者からの質問を皆さんと一緒にまた考えていきたいと思います。

 いただいている質問をまとめると「日本にいる者(男性)です。数年前(大学生のとき)につきあっていた彼女がいたのですが、彼女がアメリカに留学するということで、数年ほど前に別れました。しかし、それからもコンタクトはとっており、最近(コロナ禍前)、アメリカで会おうということになり、私もはじめての海外旅行でしたが、彼女に会いにいきました。しかし、口論になり、最後には警察が来て、彼女も悪いと思ったのですが、私が逮捕されました。その後、釈放され日本に戻りましたが、裁判になるかもしれないと言われて不安です。一緒に住んでもいないのに、ドメスティック・バイオレンスになるのでしょうか」という質問です。

同居でなくてもドメスティック・バイオレンス(DV)?

 どうも、この質問されている方は、前の彼女とよりを戻したかったのでしょう、アメリカまで会いにきてとんだトラブルに巻き込まれたということだと思います。今回の質問者はたしかに、彼女と同居しているわけでもなく、現在付き合っているわけでもなさそうです。それなのにドメスティック・バイオレンス(以下「DV」とします)になってしまうのでしょうか。

「被害者」の定義は広いーカリフォルニア州の場合

 今回の事件は南カリフォルニアで起きている様子なので、カリフォルニア州法に基づいて考えていきましょう。

 まず、一般的にカリフォルニア州で、DV刑事事件の「被害者」というのは、かなり広汎に規定されています。
 条文には「Intimate Partner」という書き方になっていますが、わざと漠然とした規定にしています。日本語でいうと、「親しい間柄」といった意味合いになります。

 そして、親しい関係には、
(1)配偶者
(2)ドメスティックパートナー(同性結婚)
(3)フィアンセ
(3)恋愛関係にある同居者
(4)自分の子の親
(5)真摯に恋愛関係にある者
という広汎な関係
が含まれます。
そして、この関係は現存するだけではなく、過去の関係にも遡って適用されます。

「真摯に恋愛関係にある者」に該当する可能性

 そうすると今回質問されている方も、現在このアメリカ在住の女性と付き合っているわけではありませんし、恋愛関係にもなさそうです。
 しかし、過去に付き合っていたことから、上述した(5)の関係は存在しています。そして、女性側が警察に「元カレ」ということを言えば、十分にDVの法律が適用される下地はあるということになってしまいます。

 「今、全然付き合ってないし、関係がないよ」といっても、それは法律的な抗弁にはならないわけです。

 ですので、気をつけなければいけないのは、現在の恋愛関係だけではなく、過去の関係についても十分にDVとなり得てしまうということです。少なくともカリフォルニア州においてはかなり広く解釈されているということを覚えておいてください。

「バイオレンス」とは

 次に、質問には細かい事実関係は書かれていませんでしたが、「バイオレンス」というのは、単に物理的に暴力を振るうだけではありません。

 もちろん、恋愛関係や婚姻関係であれば、喧嘩などは起きるわけですが、物理的な暴力だけではなく、相手を畏怖させるような言動も含み、広汎な内容が「バイオレスンス」とされてしまいます。

 喧嘩は両成敗であるというのは、ユニバーサルな考え方ですので、お互いに攻撃しあっている場合には、DVの事件とはなりにくいですが、内容の吟味は現場の警察官の判断になると思います。そして、その判断でかなり広く「バイオレンス」と認めるべきであるというトレーニングがされています。

 そして、暴力的な言動だけではなく、不作為も場合によっては「バイオレスンス」とされてしまいます。

 たとえば、介護などが必要なのにそれを「しない」という場合です。積極的な行為だけではなく、なにかを「しない」不作為もバイオレスンスになるということも覚えておくと良いポイントだと思います。

 次回DV事件になる場合、そしてDVと認定された場合にはどのような刑が現在考えられるのか続けて考えていきましょう。コロナ禍でストレスが溜まり、DV事件も増えているようです。

 心身ともに健康で皆さんがお過ごしになっていることを心から願っております。また、来週まで一週間がんばっていきましょうね。


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