アメリカで運転。国際免許は万能でない!?(2)_1146





法律ノート 第1146回 弁護士 鈴木淳司
February 5, 2019
一旦解除された連邦政府の機能停止ですが、またシャットダウンが近づいてきました。壁をつくる、つくらない、というトピック、そして大統領の不正の有無など、連日大統領を巡る話題が途切れません。しかし、重要なのは国の機能不全は避けるべきであるという命題です。どういった形でも、税金を基礎にした国の機能を政治家は尊重するべきだと思うのです。裁判制度だけでなく、あらゆる行政に負の影響が生じていますので、これ以上は政治の道具にしてもらいたくないですね。
 

アメリカで運転。国際免許は万能でない?(2)

さて、前回からカリフォルニア州の運転について考えてきました。
質問は「現在、日本から理系の研究のため、アメリカのビザを取り、日本とカリフォルニアを行き来しています。今まで数年間は、日本からアメリカに来たときに国際免許証でレンタカーを借りていましたが、一度警察官に停められたときに、カリフォルニアの免許証がないことを咎められました。そのときは、すぐに行かせてもらったのですが、今後アメリカの免許証を取ることを約束させられました。どのような場合に日本人がアメリカの免許証をとることが必要か教えてください。」というものでした。
前回は、実は法律上、「国際免許証」というのは、カリフォルニア州で運転する要件になっていない、ということを考えました。誤解が多い部分です。
さて、今回は、外国人がカリフォルニア州において、カリフォルニア州の運転免許が必要な場合を考えていきましょう。
 

カリフォルニア州で運転免許が必要な場合

まず、要件については、カリフォルニア州のレジデント(居住者)である場合には、カリフォルニア州の運転免許が必要だ、ということが規定されています(前回考えたカリフォルニア州車両法12502条)。じゃあ、居住者というのは、どういった定義なのか、というと、今度は車両法12505条を見ます。
そこでは、居住者(Resident)というのは、日本法的な言い方でいうと常居所地(State of Domicile)である、と再度定義されています。こういうところが法律がわかりにくいところです。我慢して考えていきましょう。一般論として常居所というのは、自分が生活し、戻る家がどこにあるのかという場所を言います。ただ、漠然としたコンセプトであって、カリフォルニア車両法には、独自の規定があります。
車両法をまとめると以下のようになります。
任意の12ヶ月のなかで6ヶ月以上、生活の本拠地として自分で意思を持っている場所ということになります。そして、何らかの理由がなければその場所に戻る意思がある、という場所です。
しかし、人の意思といっても、口で意思があるといっても、客観的な事実に支えられていない場合もあるので、常居所地を確認する意味もあって、カリフォルニア州車両法は、選挙の登録をしている場所、賃貸借や住んでいる不動産の証明、公共料金等の支払いがその場所で行われているのかなどの、書類の提出が必要としています。
実は、外国人がカリフォルニア州を常居所としていないにもかかわらず、免許の交付を申請する例が多くなり、数年前から免許証をとるためには常居所の確認を厳しくしはじめました。
 

ビザの種類と役割で居住を判断

今回質問をされている方は、ビザの種類を明記されていませんが、一定期間アメリカに居住するかどうかはビザの種類や役割によります。ビザのなかでも、一部のJビザやBビザといった一時的に滞在することを前提にするビザについては、アメリカが「常居所地」とはなりません。
具体的にどのような旅程でアメリカに滞在するのかによって変わってくるとは思いますが、これらの一時的な滞在ビザは、理論的にはカリフォルニア州の運転免許は不要ということになります。もちろん、車をリースしたりレンタカーしたりする、保険に加入するなど、実質的な問題はあるとは思いますが。
Hビザや、L,Eビザなど数年間に渡ってアメリカ国内で勤労する目的があるビザについては、アメリカで住居を構え、家族と住むということが一般的です。そうすると車両法にいう「常居所」がアメリカ国内にあると考えら、カリフォルニア州の免許が必要であろうという結論になると思います。
 

免許の可否は個別に判断

今回の質問者の方が「カリフォルニア州の免許を取るべきかどうか」というのは、どのような生活をしているのか、どのような意思を持っているのかによると思います。常居所というのはかなり曖昧な定義で、どこからどこまでという線引はクリアーではないのですが、少なくとも前回と今回の考え方をもとにして、自分でカリフォルニア州の免許が必要かどうか考えてみてください。
次回新しいトピックを考えていきましょう。北半球は寒さがひどく、南半球は暑さが半端ではない様子です。天候は体調に影響します。皆さん、体調に注意してまた一週間がんばっていきましょうね。


 
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