June 25, 2010
今回は、Eビザの活用について考えてみたいと思います。
Eビザというのは、すべての外国人に対して発給されるわけではなく、一定の条約をアメリカと締結している国の国民にのみ申請が認められています。そういう意味では、特殊なビザということができます。
Eビザには2つのサブカテゴリーがあり、一つは国際的な通商(商社)をしている場合、もう一つはアメリカに投資をする場合に発給されます。よく、投資ビザなどといわれるのがEビザかもしれません。
注意が必要なのは投資によって申請できるEビザの他に、投資によって申請ができる永住権もあります。2つ別物です。要件も全然違います。日本人の方でEビザと永住権を混同されている方が多いので注意をしてください。
今回は、Eビザでも、投資に関するE-2ビザに特化してお話したいと思います。
まず、一般的な要件ですが、外国人による投資がなくてはなりません。
この投資は一定程度外国人によって行われなくてはならないと決められています。永住権保持者や市民権をお持ちの方は、投資先の持分が50%以上になることはできません。
ですから、アメリカ人や永住権保持者の日本人が会社の50%以上株主となっている会社ではEビザをスポンサーすることができないのです。この投資に関する一定の縛りが、他のビザと違い特徴的なところです。
ここで、現在の不景気を受けて注意点をひとつ考えておきたいと思います。
不景気になると会社はさらに株を発行して投資を得ようとする場合があります。実際にそのような相談が多いのも現状事実です。
しかし、安易に投資を受ける場合、すでにEビザをスポンサーしている会社は注意が必要です。どのような投資になるのか、形式的にも実質的にもちゃんとEビザの取得要件を満たす形にしておかないと、Eビザのスポンサーの資格を失ってしまう可能性があるからです。この点は、注意が必要です。
次に、よく私も聞かれる点ですが、「投資」といってもどのようなものを投資というのかよくわからない、という点です。法律というのはわざと用語の使い方を曖昧にしておいて、いろいろな解釈を可能にするものですが、「投資」という言葉も場合によっては、行政の裁量によって意味やニュアンスが変わってきます。
ここでは一般論をお話しておきましょう。投資金額については、諸説あります。企業秘密なのであまり言えませんが、取得しやすいようにするコツもあると思います。
投資をする対象ですが、アメリカに家を買った、とか土地を買った、というだけでは「投資」扱いされません。
静的な投資は移民法上は投資とはされないのです。投資とは本来リスクが伴うものですから、たとえばビジネスや株式に投資をするということが移民法上は必要になるのです。今、ドルが安いですから、アメリカに投資をしようと思われている方も多くいると思います。その場合、高価な家をアメリカに買えば、E-2ビザの申請ができると思われていたり、そのようなニュアンスで宣伝をする弁護士もいるようですが、気をつけてください。
ただ単に「投資」といっても、移民法上の意味は違うということを覚えておいていただければ良いと思います。
それから、Eビザで特徴的な点をひとつ考えておきましょう。
通常就労ビザはアメリカ国内で、スポンサーとなる会社が許可を得て、その後に外国人被用者が自国の大使館・領事館で査証取得の申請をすることになります。ところが、Eビザに限っては、アメリカ国内でのスポンサー申請が省略することができるので、一括して、日本人であれば、在日本のアメリカ大使館・領事館で申請ができるということになります。一定程度申請時間の短縮は可能になるということですね。
Eビザは個人で申請するのが非常に難しいビザだとは思いますが、少なくとも投資という概念などは、覚えておかれるとよいと思います。
また次回新しいトピックを考えていきましょう。
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