アメリカで外国人雇用-注意点

January 19, 2009




 
  今年はじめてのじんけんニュースです。遅いですが、あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いいたします。
 経済は不安定ですが、良い時期があれば、悪い時期もあるのは、経済も人生も同じなのでしょうね。皆さんは今年はどのような願掛けをされたのでしょうか。読者の皆さん一人一人が幸せで、健康にお過ごしになれることを心から祈っています。
 今年はじめてのじんけんニュースは、ネガティブな話しですが、外国人の雇用ついて注意しなければならない点を考えたいと思います。
皆さんもよくご存じかもしれませんが、アメリカの移民局は同時多発テロをきっかけに構造改革が行われ、よくも悪くもドラスティックに組織から変わりました。移民局は国家安全保障局となり、その下に多種の組織が置かれることになりました。よく、民主党が政権を取ると大きな政府になるということを言いますが、ブッシュ政権は異様なほど、国家安全対策にお金をつぎ込みました。その一つの産物が移民・税関執行局(U.S. Immigration and Customs Enforcement)と呼ばれる組織です。簡単にこの組織の役割を説明すると、違法な移民の摘発が主なものです。国境警備隊と並んで、今ではアメリカ国内に滞在する不法移民を摘発・取り締まるメインの団体となりました。この組織が最近、不法就労外国人の摘発を強めています。経済の降下にも関係しているのかもしれません。この移民・税関執行局は2003年につくられましたが、設置されてから現在まで、5000人以上の不法移民関係の逮捕を行っています。
  ケンタッキー州でレストランを営んでいたアジア系の男性が、今年、1月6日にケンタッキーの連邦裁判所で禁錮8月の判決を受けました。実刑です。罪名は、不法な外国人を、不法と知った上で雇っていたということです。認定された事実によると、2006年11月から2007年11月の間に、所有するレストランで少なくとも10名の不法な外国人労働者を雇用したということです。2007年11月14日に捜索令状および逮捕状を執行した際に、6名の不法就労者を拘束したということです。
  正直言うと、私がこのニュースを耳にしたときに、驚きました。耳を疑いました。このようにレストランで不法とはいえ外国人が働いていることは、事実上多くあります。私も何軒もそのようなレストランを知っていますし、洗車場や、ホテルの裏方など数えればきりがないはずです。それなのに、このレストランはねらい撃ちされたように思います。もちろんねらい撃ちの事実を刑事事件の抗弁としてはつかえないのですが、このように実刑まででるのは、驚きました。
 実際のところ、誰かが移民局に「ちくった」ことにより、捜査が開始されたようです。このように誰かがリークをすることがほとんどの捜査の端緒となっています。ただ、すべての案件の捜査をすることがありませんから、このように実刑にまでなるという事例ではよっぽどこのオーナーがひどいことをしていたのでしょう。このオーナー自身も外国人であり、実刑が終了した段階で強制送還されることになるようです。
 不法就労者を雇用すると、ビジネスオーナー自身が禁錮になるというドラスティックな例ですが、このケースが例外というわけではありません。各ビジネスとも雇用をする際には充分気をつけて、各人の移民のステータスをチェックするシステムを会社内で確立する必要があると思います。各被雇用者に提出されるI-9という書類を確実に雇用時に得るようにして、たとえ最悪の場合、被雇用者が虚偽の申告をしていたとしても、雇用者としてはベストを尽くしたと言える状況にしておきたいものです。
 次回また新しいトピックを考えていきたいと思います。


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作成者: jinkencom

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