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New York statue of Liberty

アメリカ移民行政の停止状況

移民行政の停止状況について 弁護士 鈴木淳司
April 9, 2020

 アメリカでは世界最多のCOVID-19罹患者がいる状況になってしまいました。特にニューヨークはひどいです。
 最近の調査では、どうも東海岸のウイルスはヨーロッパから入ってきた事例が多いということで、実際は2月前にすでに感染がはじまっていたことは間違いないんでしょうね。現政権は中国からの入国を制限しましたが、まったく筋が違ったウイルスの流入だったということになります。目に見えない敵というのは怖いものです。

 さて、この世界的大流行を受けて、アメリカの経済活動は停止していますが、政府機能もかなり停止しています。
 私が担当している刑事事件でも、裁判所は、出廷せずに命令を出したりしてくれています。連邦の裁判所でもそのような状況なので、連邦政府の機関もかなり停止している部分があるのが実情です。

米国移民局(USCIS)

 現状、米国移民局(USCIS)は、オフィスを2020年5月3日まで暫定的に閉めています。また、長期化してスケジュールが変わるかもしれませんが、現状では5月3日までは、行政が動かないということです。

 移民行政は、3月18日から、各フィールドオフィスに直接行くことが禁止されました。
 同時に、難民申請、申請サポートセンターも活動を停止しています。

 緊急がある場合には、コンタクトセンターに連絡しろ、ということになっていますが、どこまで実効性があるのか疑問ではあります。

リスケジュールの手続きも不透明

 この停止に伴って、申請者本人が出頭しなければならない手続きはすべて停止されていますので、移民局側から仕切り直した日程を記載した通知が各申請関係者に送付されることになっています。

 ただ、送付時期についてですが、移民行政が再開されたとき、ということになっており、確定された送付時期は現在わかりません。とにかく現状は、アポイントメント関係は「塩漬け」ということになっています。

 現在、申請中の方々は、移民局のコロナ関連サイトを中止する必要はあろうと思います(uscis.gov/coronavirus)。

回答期限も一部は猶予

 また、非移民ビザ関連については、申請の過程で、さらに証拠を出せというRequest for Evidence (RFE)や、申請不許可等、回答期限がついている手続きについても、回答期限について方針を示しています。

 まず回答について延期が許される場合は、回答期限が2020年3月1日から5月1日までの分に限定されます。
 そして、この期間内に回答しなければならない場合、その回答期限から60営業日以内に提出すれば、適宜提出とみなされることになりました。移民局の判断等、判断等に対して再審査等の請求をする場合は、移民行政機関の判断から60営業日以内に対応がなされていれば、適宜提出と認められることになりました。

実質的には完全停止の状態

 以上のように、移民行政業務は現状では5月3日まではほぼ完全に停止している様子であります。

 各国のアメリカ大使館・領事館の業務も停止している部門は多く、国全体でアメリカは停滞しています。移民業務についてもかなりの支障が出ていますが、現状では日本とアメリカの行き来もままならない状況ですので、これは世界的にしょうがないのかもしれませんね。

 現在は一人ひとりが、ウイルスの怖さを重々自覚して、はやくこの流行を抑え込めるようにがんばっていくしかないですね。皆さんも大変だとは思いますし、ストレスも溜まりやすくなると思いますが、トンネルには出口があるはずですので、今は耐えながらがんばっていきましょう。


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トランプ政権とH-1Bビザ発給の動向

March 14, 2019 皆さんお元気でしょうか。ベイエリアは春らしくなってきましたが、皆さんのお 住まいの地域はいかがでしょうか。 さて、今回は、厳しい移民政策を続ける現政権下におけるH-1Bビザの発給につい て現状を少し考察しておきたいと思います。まずは、良いニュースからです。

Premium Processing の再開

しばらく、移民行政機関が停止していた、H-1Bビザ(以下、「Hビザ」ともいう。)の優先審査(Premium Processing)が3月12日から再開されることにな りました。

優先審査がやっと再開されるということで、移民局の申請受理から 15営業日以内に審理され、許可の可否が通知されることになりますが、通常の審査に比べて高額の審査費用が要求されるのは、今まで通りです。

これで、申請している外国人も、雇用を考えている米国企業も宙ぶらりんの期間がまた短くなるわけですから、良いニュースとしたいと思います。  

 

Hビザの実情

次に、関係ある方々は、現政権下におけるHビザへの風当たりについて、全体的によく理解した上で、注意をしていただきたいと思います。 移民局が公表しているデータをみると、前政権に比べ政策の変化がかなり如実にHビザの審査に表れています。

そもそも、現大統領は、選挙公約の一貫として、外国人ではなく、優先してアメリカ人を雇うべきであるということを強調していました。選挙中はある意味漠然とした主張が多かったのですが、大統領に就任すると、すぐにHビザに関しての審査の厳格化を指示しました。

そして、現大統領下の移民局の審査は実務に影響が出ていることはわかっていましたが、公表されている数字でもその方針が確認されました。  

 

不許可件数は前政権の倍

移民局の統計を見ると、2018年度(2017年10月〜2018年9月)、 申請の即不許可の数が6万件を超え、前政権下の倍以上になっています。申請件数にさほど違いはないので、受理されても、不許可とされる率がかなり上がってきていることがわかります。

そして、2019年度の最初の四半期で、即不許可となる申請が2万5千件ほどになっていますから、2019年度は、10万件に達する不許可が出てくると考えられます。

したがって、以前は問題なく受理されていたようなケースでも、現在では予断を許さない状況になっているのです。

移民局の言によると、「アメリカ人の雇用を守り、些末な申請を排除しする」改革を続けているということですので、もしかしたら、初動で要件を満たすかどうか怪しい申請も実際多いのかもしれませんね。

ただ、多くの案件では弁護士が申請を代行しているでしょうから、一年間で10万件不許可になるとすれば、要件充足云々の話だけではないかもしれません。  

 

Request for Evidenceー追加資料の要求

もう一つ、即不許可にならない場合、すぐに許可をしてくれるケースもありますが、多くのケースでは、追加資料要求(Request for Evidence、略してRFEと言 われます。)を移民局から受けます。

2017年度は、8万6千件に対してRFE が出されましたが、18年度は、なんと倍近い15万件に上っています。

この RFEですが、最近の例をみると、本当に内容が微に入り細に入り、でびっくりし てしまいます。 その資料を集めるのも大変ですし、実際本当に「このような情報が審査に必要なのかなぁ」と思うものもでてきます。

このRFEが来ると(多くの申請で来るのが当たり前になってきましたが)、そのやり取りで何十日も費消するので、許可が遅れますし、法律事務所や雇用者の負担もかなり増加しています。  

今後の対策

日本人は、Hビザの他に、EビザおよびLビザの許可を得て働くことはできますが、他の外国人は、Hビザに基づいてのみ就労が可能というシチュエーションも多いのです。

数年前とは、異質とも言える移民局の対応に関して、移民弁護士も、裁判にまで訴えるなどで争っていますが、大きな政策が現状で変化することはなさそうです。

これから、Hビザを考えられている企業側、学生側も、上記の状況を踏まえて覚悟しながら、対応してください。

また、申請途中になにがあるかわかりませんの で、かなり余裕を持って申請を始めるようにしてください。

また次回新しいトピックを考えていきたいと思います。  

 


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