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アメリカで結婚した娘、日本で離婚できる?(2)_1081

法律ノート 第1081回 弁護士 鈴木淳司
Oct. 31, 2017

 この週末は夏のように暖かかったので、外出して天気を楽しみましたが、異常な天気ですね。気のせいか、まだまだ虫も多いように感じますし、蜘蛛も例年より多く巣をつくって活動しているようです。一方でシエラの山の方に住む人達は来週あたり初雪が降るのではないか、と言っていました。天気が至る所でぐちゃぐちゃになっているように思います。寒暖の差が激しいので、体調管理は重要ですね。

アメリカで結婚した娘、日本で離婚できる?(2)_1081

 さて、前回から考えてきている「日本に住んでいる者(夫婦)です。私どもの娘が米国に留学していたのですが、精神的な病で日本に戻ってきました。現在、私どもと同居をしながら治療を続けています。多くは話さないのですが、アメリカ人男性と結婚して、結婚生活がうまくいかなかったようです。最近この男性から私どもに連絡があり、どうも日本に来て話し合いたいということでした。娘は会いたくもなく離婚をしたいということでした。こういった場合、本人がアメリカに行かないと離婚をすることができないのでしょうか」という質問を続けて考えていきましょう。

日本で離婚が成立していれば、アメリカでも離婚を主張できる

 前回は、離婚というのはいくら両親でも代わって行うということはできないので、やはり本人の意思がかなり重要になってくる、ということを考えました。そして、離婚については、米国か日本で行うことが可能かもしれないというところまで考えました。今回続けて考えていきたいと思います。

 今回質問されているご両親の知識では、娘さんがどこの場所で結婚したかがよくわかりません。しかし、基本的に離婚をアメリカで行おうが日本で行おうが、法律的な手続きに沿って離婚が成立していれば、日本においてもアメリカにおいても、離婚の成立を主張することができます。

 たとえば、今回質問の対象となっている娘さんが相手方とアメリカで結婚していた場合でも、日本で離婚が成立していれば、その離婚について、アメリカでも主張することはできます。

 したがって、今回の事例でも、どこで結婚されているかわかりませんが、おそらく日本かアメリカで婚姻届を提出しているということになろうと思います。そうすると、日本で離婚が正式に成立すれば、相手方男性に対して離婚した事実を主張することは国を問わずできます。

アメリカでの離婚申立には一定期間の居住が必要

 ここで、かりに娘さんがアメリカで離婚の手続きをしたいと考えた場合、アメリカでは一般的に、離婚を申し立てるには、少なくとも、申立をする場所に6ヶ月は居住していなければなりません。離婚申立の要件として、一定期間の居住が必要なのです。

 男性側が離婚を申し立ててくれれば、その申立に乗っかって離婚を進められる可能性が高いのですが、娘さん側から申立をする場合には、この居住要件が引っかかってくる可能性があるのです。

 もちろん、必ず物理的に娘さんが6ヶ月まるまる離婚を申し立てる場所にいなければならないということはありません。例外もいくつかあります。かりに、娘さんにとって、アメリカでの離婚申し立ての方が良い事例であれば、色々な例外規定や判例を探って、居住要件を満たしているという主張をすることも可能かもしれません。今回の質問に関して、アメリカで離婚をできるかどうかは、居住要件がハードルになるかもしれません。

 一方で、日本で手続きをするという方法も考えられる可能性があります。娘さんが日本に居住していれば、日本での手続きも可能かもしれませんが、日本での裁判をするとなると、今度は、相手方がアメリカにいることから裁判に呼び出すための送達に手間がかかります。色々民事手続上の問題が発生する可能性があります。

話し合いでの離婚が解決として最善

 このように、裁判を通して対立する形で離婚をすると、手続きで面倒なことが起きそうなパターンではあります。娘さんの婚姻期間および夫婦間で共有している財産がどの程度あるのか、などわかりませんが、かりに子もいない状態で、共有財産もほぼないような形であれば、相手方の男性が日本にくると言っているのであれば、そのときに話し合いで離婚の方向に持っていくのが一番手っ取り早いように思います。

 話し合いを娘さんが嫌がっているのであれば、娘さんから代理権を受けた弁護士でも良いですし、親御さんが付き添ってでも、会うことが解決としては最善ではないでしょうか。もしかしたら、相手方もよりを戻すというよりは、離婚をしたいのかもしれません。

 事情が細かくわからず、漠然と考えてしまった質問ですが、他の角度からご質問等がありましたら、法律ノート宛まで宜しくお願いいたします。

 もう、アメリカはハロウイーンです。なんだか1年も終わりに近くなってきたと感じる季節ですね。夜は寒くなってきましたので、体を温めながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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