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Washington DC Capitol

口論からドメスティック・バイオレンスで逮捕。行方は?(2)_1225

法律ノート 第1225回 弁護士 鈴木淳司
Aug 10, 2020

 今週せっかくサンフランシスコでプロゴルフの大会が行われているのですが、無観客です。観に行きたかったのですが、がっかりです。なかなか一流のプロを間近で見られるチャンスはないですからね。しょうがないのでテレビで観ていますが、やはり生での体験と画面を通しての体験には差があるものですね。プロにしても、やはり観客がいたほうが、心持ちが違うのではないかとも思いました。プロスポーツ一般、今年は活気がなくて残念でなりません。

口論からドメスティック・バイオレンスで逮捕。行方は?(2)_1225

 さて、前回考えた「日本にいる者(男性)です。数年前(大学生のとき)につきあっていた彼女がいたのですが、彼女がアメリカに留学するということで、数年ほど前に別れました。しかし、それからもコンタクトはとっており、最近(コロナ禍前)、アメリカで会おうということになり、私もはじめての海外旅行でしたが、彼女に会いにいきました。しかし、口論になり、最後には警察が来て、彼女も悪いと思ったのですが、私が逮捕されました。その後、釈放され日本に戻りましたが、裁判になるかもしれないと言われて不安です。一緒に住んでもいないのに、ドメスティック・バイオレンスになるのでしょうか」という質問を続けて考えていきましょう。

過去の交際相手も対象に

 前回考えたのは、もともと付き合っていた相手方であっても、カリフォルニア州刑法ではドメスティック・バイオレンスが成立することと、物理的な暴力がなくても、同罪は成立するということでした。
 今回質問されている方は十分にカリフォルニア州刑法の文面上、ドメスティック・バイオレンスに該当する事例だと思います。
 もちろん、実際には成立しない可能性も十分にはあるとは思いますが。

wobbler?重罪か軽罪か微罪か

 さて、今回の事例で将来裁判になるようなことを警察から言われたそうですが、加えて、「これは重罪(Felony)だ」とも言われたそうです。

 ドメスティック・バイオレンスに関しては、他の罪にもよく見られますが、カリフォルニア州の法律造語で、ウォブラー(wobbler)と呼ばれるジャンルの罪です。カリフォルニア州やほとんどの米国刑事法では、大きくわけて、重罪(Felony、禁錮一年以上の法定刑)、軽罪(Misdemeanor、禁錮一年以下の法定刑)、微罪(Infraction、基本的に罰金のみ)の3つのカテゴリーが使われます。そして、このウォブラーというのは、検察の裁量で、重罪にも軽罪にもできる罪を言います。

 ですので、今回の質問事例にしても、実際に起訴されるかどうか、がそもそもわかりませんが、起訴されるとすると、軽罪として起訴される場合と重罪で起訴される場合があるのです。

 このように事実関係を見て、暴行等の程度が重大な場合には重罪で起訴される場合もありますが、ほとんどの軽微な事例は軽罪で起訴されると思います。後遺症の残るような暴力があった場合には、重罪となる傾向があります。

警察と検察は別

 今回質問されている方は警察から重罪で起訴されるぞ、と言われたらしいですが、そもそも警察は起訴する権限を持っていません。捜査をして、その内容を検察に送るだけなのです。ですので、警察に言われたことは気にしないで良いです。

 私がいただいた事実関係を見る限りは、ほぼ重罪にはなりませんし、そもそも起訴されるかも怪しい事例です。逮捕されたからといって、即起訴されるわけではありません。また、ドメスティック・バイオレンスの罪については、暴行等がエスカレートすることを防ぐために接近禁止命令などが用意されていますが、広く逮捕をするのは、「これ以上事態を悪化させない」ためだということも覚えて置いたほうが良いと思います。悪いから逮捕する、というよりは、冷却させるための措置という意味合いが強いことは理解しておいてください。

起訴後は召喚状による呼び出し

 かりに起訴が決まると、呼び出し状が送られてきます。しかし、海外にいると往々にして郵便事情や、住所の打ち間違いなどで、受け取れない場合が出てきます。呼び出しがあったかもわからない場合もあるでしょう。

 いきなり、日本にいて逮捕されるということはないとは思いますが、再度アメリカに渡航することを考えられているのであれば、事前に裁判所の召喚状があるか、ないかだけは確認しておいたほうが良いと思います。かりに、召喚状が出ていると、アメリカに入国しようとする際に、逮捕される可能性もあります。

 次回また新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。

 今、アメリカは学校を秋学期どのようにするかで政府も地域でもかなり論議になっていますね。そもそも、マスクをするかしないかが、政治利用されている現状なので、もう少しコロナに関しての基本的な作法を共通認識としてもつべきだとは思うのですが。それではまた次回まで健康に気をつけながらがんばっていきましょう。


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口論からドメスティック・バイオレンスで逮捕。行方は?(1)_1224

法律ノート 第1224回 弁護士 鈴木淳司
Aug 03, 2020

 暑くなったらウイルスの活動が縮小するというのは間違いでしたね。一向に収束に向かっておらず、カリフォルニア州ではどんどん罹患者数があがっている状況にあります。経済だけではなく、学校も秋からどうなることやらで、先が見通せないことが精神的にも人々に影響しています。現在ではやはりワクチンを待つしかないのでしょうか。皆さんは心身ともに健康に暮らされていますか。

口論からドメスティック・バイオレンスで逮捕。行方は?(1)_1224

 さて、今回から新しく頂いている読者からの質問を皆さんと一緒にまた考えていきたいと思います。

 いただいている質問をまとめると「日本にいる者(男性)です。数年前(大学生のとき)につきあっていた彼女がいたのですが、彼女がアメリカに留学するということで、数年ほど前に別れました。しかし、それからもコンタクトはとっており、最近(コロナ禍前)、アメリカで会おうということになり、私もはじめての海外旅行でしたが、彼女に会いにいきました。しかし、口論になり、最後には警察が来て、彼女も悪いと思ったのですが、私が逮捕されました。その後、釈放され日本に戻りましたが、裁判になるかもしれないと言われて不安です。一緒に住んでもいないのに、ドメスティック・バイオレンスになるのでしょうか」という質問です。

同居でなくてもドメスティック・バイオレンス(DV)?

 どうも、この質問されている方は、前の彼女とよりを戻したかったのでしょう、アメリカまで会いにきてとんだトラブルに巻き込まれたということだと思います。今回の質問者はたしかに、彼女と同居しているわけでもなく、現在付き合っているわけでもなさそうです。それなのにドメスティック・バイオレンス(以下「DV」とします)になってしまうのでしょうか。

「被害者」の定義は広いーカリフォルニア州の場合

 今回の事件は南カリフォルニアで起きている様子なので、カリフォルニア州法に基づいて考えていきましょう。

 まず、一般的にカリフォルニア州で、DV刑事事件の「被害者」というのは、かなり広汎に規定されています。
 条文には「Intimate Partner」という書き方になっていますが、わざと漠然とした規定にしています。日本語でいうと、「親しい間柄」といった意味合いになります。

 そして、親しい関係には、
(1)配偶者
(2)ドメスティックパートナー(同性結婚)
(3)フィアンセ
(3)恋愛関係にある同居者
(4)自分の子の親
(5)真摯に恋愛関係にある者
という広汎な関係
が含まれます。
そして、この関係は現存するだけではなく、過去の関係にも遡って適用されます。

「真摯に恋愛関係にある者」に該当する可能性

 そうすると今回質問されている方も、現在このアメリカ在住の女性と付き合っているわけではありませんし、恋愛関係にもなさそうです。
 しかし、過去に付き合っていたことから、上述した(5)の関係は存在しています。そして、女性側が警察に「元カレ」ということを言えば、十分にDVの法律が適用される下地はあるということになってしまいます。

 「今、全然付き合ってないし、関係がないよ」といっても、それは法律的な抗弁にはならないわけです。

 ですので、気をつけなければいけないのは、現在の恋愛関係だけではなく、過去の関係についても十分にDVとなり得てしまうということです。少なくともカリフォルニア州においてはかなり広く解釈されているということを覚えておいてください。

「バイオレンス」とは

 次に、質問には細かい事実関係は書かれていませんでしたが、「バイオレンス」というのは、単に物理的に暴力を振るうだけではありません。

 もちろん、恋愛関係や婚姻関係であれば、喧嘩などは起きるわけですが、物理的な暴力だけではなく、相手を畏怖させるような言動も含み、広汎な内容が「バイオレスンス」とされてしまいます。

 喧嘩は両成敗であるというのは、ユニバーサルな考え方ですので、お互いに攻撃しあっている場合には、DVの事件とはなりにくいですが、内容の吟味は現場の警察官の判断になると思います。そして、その判断でかなり広く「バイオレンス」と認めるべきであるというトレーニングがされています。

 そして、暴力的な言動だけではなく、不作為も場合によっては「バイオレスンス」とされてしまいます。

 たとえば、介護などが必要なのにそれを「しない」という場合です。積極的な行為だけではなく、なにかを「しない」不作為もバイオレスンスになるということも覚えておくと良いポイントだと思います。

 次回DV事件になる場合、そしてDVと認定された場合にはどのような刑が現在考えられるのか続けて考えていきましょう。コロナ禍でストレスが溜まり、DV事件も増えているようです。

 心身ともに健康で皆さんがお過ごしになっていることを心から願っております。また、来週まで一週間がんばっていきましょうね。


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