入国拒否後のアメリカ入国再申請

空港これからアメリカへ

 

Jan 01, 2014

皆さん、あけましておめでとうございます。昨年も一年ご愛読いただきありがとうございました。
2013年はJinken.comに関して、たくさんのご意見ご鞭撻をいただきました。また、多くの永住権抽選当選者の方の手助けをさせていただきました。
昨年を踏まえ、2014年も事務局一同がんばっていきますので、2014年も変わらず宜しくお願いいたします。

入国拒否の事由

さて、今年の最初に取り上げる事例は、わたしの所属する法律事務所でもときどき相談があるものです。
何らかの米国への入国拒否事由に該当し、在日本米国大使館・領事館で、ビザや永住権を申請しても、許可してもらえないという事例です。
入国拒否の前提となる不許可事由については、法律で詳しく規定されています。

主なものを挙げると

(1)永住する意思があるにもかかわらず非移民ビザを申請する場合における申請時の意思の齟齬
(2)一定の前科前歴
(3)移民局に対する詐欺的な行為、たとえば申請書で虚偽の申告をする場合
(4)不法滞在

が挙げられます。これら(1)ないし(4)の事例は故意がなくても、「うっかり」という過失で起こることもあります。

移民弁護士の過誤と不法滞在

代表的な例は移民弁護士の過誤があります。申請を依頼するクライアントとしては弁護士に相談して、弁護士の意見にしたがっているわけですが、弁護士がミスをするということも十分にありえます。
弁護士のアドバイスにしたがって、米国に滞在していたにもかかわらず、実際には不法滞在になっていたという事由を見かけることがあります。

同業者とはいえ、有象無象の弁護士がいます。
なかには、安価でサービスを提供することに飛びつく人もいるのでしょうが、ある程度のお金がないと法律事務所もインフラが整備できないのですから、安物買いの銭失いということは十分にありえますし、わたしも何件も痛い事例を見てきています。

弁護士が過誤をしたのであれば、申請者本人には責任は無いようにも思えますが、かりに事実的に不法滞在をしていれば、半年以上の不法滞在で3年間の再入国禁止、1年以上の不法滞在では10年間の入国禁止とする法律が適用されることになります。

もちろん、不法滞在だけではなく上記で主に挙げた4つの事由があれば、再入国の禁止に該当します。特に売春または違法薬物に関する犯罪については再入国禁止が厳しく適用されています。

その後絶対に米国に再入国ができないのか

このような再入国禁止事由がある場合には、絶対にビザや永住権の申請を再度することができないのか、といえばそうではありません。

以前にご説明したように、米国に外国人が入国するのは米国の「裁量」であるということです。米国人が日本に入るについても同様です。
この「裁量」というのは、同じ条件が揃っていても、Aさんはビザがもらえて、Bさんはビザがもらえない、という不均一な結果に結びつくこともありますが、基本的にどの外国人を入国させるか、させないかは、米国が決められると思ってください。

そうすると、入国禁止事由があったとしても、米国に入国を許可するかどうかの裁量も米国にあるわけです。
ですので、法律に照らすと再入国禁止事由に該当するけれども、米国は裁量で入国許可をすることができます。

具体的にどんな方法があるか ― Waivers of Ineligibility

たとえば、上記の事例のように、自分が頼んだ弁護士の過誤で再入国禁止になってしまった場合があるとしましょう。こういった事例については、本人の帰責性が低いと考えられますから、裁量で入国を許可してほしいと申請してみることが考えられます。

この裁量による再申請の手続きを、Waivers of Ineligibility と呼びます。入国不許可事由適用除外手続とでもいいましょうか。
原則として、この不許可の適用除外を審査するのは、各米国大使館・領事館となります。
日本在住の日本人であれば、在日本米国大使館・領事館に対して申請することになろうと思います。

この申請に対しては、大使館・領事館が幅広い裁量を有しています。ですので、申請の許否の確率を聞かれても「わからない」というのが実際のところでしょう。
大使館や領事館はI-601というフォームを使用して受領した申請をベースにして、米国本国の国家安全保障局と情報を共有します。

ここで重要なのは、入国禁止事由があった場合、どのようなケースでも適用除外を申請できるわけではないということです。場合によっては、法律でまったく適用除外が許されていないものもあります。ですので、どのような適用除外申請のオプションがあるのか、具体的に相談されることをお勧めします。

弁護士過誤の場合

今回例に挙げた、弁護士の過誤によって入国禁止事由に形式的に該当してしまったという例では、申請者本人としてもふんだり蹴ったりの状況だと思います。
安物買いの銭失いというのは本人の問題でしょうが、弁護士の過誤について、申請者本人を責めることはできません。そうすると、今回考えている適除外申請をしてみる価値はありそうです。

たまに相談をされる方で一回入国禁止事由に該当してしまうと、一生米国に戻ってこられない、と思っている方はいらっしゃいますが、そういうことではありません。米国移民法においては、上記のように限定的ではありますが救済策が用意されているということは、頭の片隅に入れておいてください。
 
2013年は忙しく過ぎていきましたが、皆さんはいかがでしたか。2014年は健康に留意しながら、楽しく過ごしていきたいですね。
2014年が読者の方ひとりひとりに素晴らしく充実した年で有りますように、また皆さんが健康で幸せに暮らせるように、心から願っております。


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作成者: jinkencom

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