ビザの誤送信と悪用の可能性

皆さんこんにちは。私が住んでいるベイエリアは、今の気候は最高な感じです
が、皆さんのお住まいのところはいかがでしょうか。
 
さて、じんけん事務局から、私が昔から書いている他のコラムのように、読者か
らの質問を取り上げられないか、という提案があったので、移民法に限定してい
るじんけんニュースですが、移民法で質問があれば、取り上げていこうと思って
います。質問については、www.jinken.comから送ってみてくださいね。たしか
に、移民法は、いろいろな人がいろいろなことをいうので、情報が交錯していま
すし、移民局の裁量が広範なため、Aさんはビザの許可がでて、Bさんは不許可
で、どちらが正しいのだ、などという場面もたくさんあると思います。できるだ
けロジカルな回答を目指して(それも法律用語についても、しっかりしたものを
つかって)ご回答できれば良いと思っていますので、質問がある方はじんけん事
務局までご連絡ください。
 
さて、じんけんでいただいている質問、第一弾をご紹介しましょう。「パス
ポートに添付されているアメリカのビザについてです。 コピーしたビザを間
違ったFAX番号に送ってしまいました。送り先を調べることも出来きません。例
えば、ビザのコピーを悪用される可能性はあるのでしょうか? それとも、本物
じゃなく、ビザのコピーぐらいだったら、放っておいても問題ないのでしょう
か?」というものが質問です。なんだか、もう少し送付前に気をつけてくださ
い、と注意したくなるのは私が年をとってきた証拠かもしれません。まあ、やっ
てしまったことはしょうがないですけどね。
 
ビザにはたしかに顔写真とともにビザの番号が記載されています。ですので、
この番号を悪用される可能性はもちろんゼロではありません。しかし、この番号
があったからといって、すぐにお金を借りれたり、何か信用の担保として提供さ
れることはないと思います。金融機関に行ってみたらあきらかですが、ソーシャ
ルセキュリティーは非常に重要ですが、ビザの番号というのは、聞かれないと思
います。ですので、知らないところで、なりすまされお金を借りられるというこ
とはビザの番号だけでは難しいと思います。
 
一方で、オンラインを使ったなりすまし等については、注意しなければなりま
せん。なぜなら、ビザには生年月日が記載されていますし、他にも性別や顔写真
等も記載されているからです。悪い人間であれば、それらの情報を利用して、オ
ンラインのプロファイルをいろいろつくって悪用するかもしれません。したがっ
て、しばらくはなりすましや身分の盗用がないかどうか、注意をしていく必要が
あります。注意をしろと言っても、どうやって注意したらよいのかわかりません
よね。そういう場合は、米国司法省のウェブサイトが詳しくどういった対処法が
あるのか、紹介してくれていますので、ぜひ参照してください。
http://www.justice.gov/criminal/fraud/websites/idtheft.html
 
今回は、ご質問にお答えするようにしましたので、本来書こうと思っていた、大
使館での面接でビザ拒否になる事由について、という記事をあえて書きませんで
した。みなさんから、質問にお答えするのが良いか、時機にあわせた記事をご紹
介するのが良いのか、両方をやっていったらよいのか、ご意見をいただけると幸
いです。宜しくお願いいたします。ご意見は、www.jinken.comからフォームを
使っていただけるとよろしいみたいです。

作成者: jinkencom

jinkencom について JINKEN.COMの運営者であり、カリフォルニア州弁護士として活躍中の鈴木淳司弁護士のブログです。「移民法ブログ」では米国の移民分野についてホットな話題を取り上げて月に一度更新、「アメリカ法律ノート」は広くアメリカの法律相談に答える形で、原則毎週更新しています。なお、本ブログの著作権は著者に帰属します。 *たびたび法制度が変わりますので、最新情報をご確認の上、手続きされてください。