米大使館でのビザ申請拒否

the statue of liberty USA

September 22, 2008

米大使館でのビザ申請拒否

日本のアメリカ大使館・領事館でビザを申請して、認められる場合ももちろんありますが、拒否の場合もあるわけです。拒否されることを快く思う方は少ないでしょうが、拒否をされると、もう二度と申請できないのではないか、そうでなくても、数年間は入国できないのではないか、という不安がよぎるでしょう。

実際に麻薬、売春にかかわっていたり、過去に不法就労、不法滞在したりした場合には、法律上、アメリカに入国できなくなる場合があります。入国禁止の年数についても、法律で規定されています。

裁量で却下されることもある

法律で入国禁止されている場合もありますが、大使館・領事館の「裁量」によってビザ申請が却下される場合がありますね。一応、すべて必要な書類をそろえ、要件は充たしているのに、「ダメ」といわれる場合です。移民法第214条b項に基づいて、「拒否」とされる場合です。

拒否=申請不可能 ではない

 よく拒否をされると、もう申請は「できません」と日本の代理店に言われて、あきらめてしまう方がいらっしゃいますが、裁量によって拒否されているだけであれば、再度条件を整えて申請することは可能です。

 日本でも行政機関になんらかの申請をして、却下されたとしても、再度申請をすることはよくあることですね。日本の場合には、行政機関が指導をしてくれる場合もありますが、この点はアメリカ大使館・領事館はしてくれるとは限りませんね。また、アメリカ大使館・領事館は非常に忙しいですから、すべての申請書をじっくりみて判断をするには限りがあると思われます。ですので、一義的に拒否があったからといってあきらめる必要はありません。

大使館・領事館に再審査を求める

 大使館・領事館の裁量で拒否された場合、非常に限られた場合を除いて、アメリカの裁判所や行政機関に審査を求めることはできません。できることは大使館・領事館に再審査を求めることです。では再審査の際にどのように自分の申請書類のアップグレードをはかるか、問題となりますね。同じ審査書類を出すだけでは、足りないと思われます。ですので、どのようなアップグレードをしていくのか問題となります。

拒否された理由は何だったのか?

 裁量で拒否を受けるとしても、どのような理由で拒否をされたのか、解析してから、アップグレードの用意をする必要があります。理由にはいろいろあります。

 申請したビザと申請者のスペックが合致しないという場合もあります。その場合には、申請書を変更していくか、本人のスペックを変更していくことになります。この点については、また回を変えて考えていきましょう。

 次に証拠が足りないという場合も考えられます。その場合には、追加で証拠をそろえていくしかありません。
 裁量拒否でよく見かける事例で、「日本との強いつながり」がみえないから、「拒否」という場合があります。
つまり、非移民ビザの申請をした際に、「あなたはアメリカに居着く可能性がある」とか、「日本に戻らない可能性がある」などと疑われて、裁量で拒否されてしまう場合を指します。

日本に戻るのが確実な人ほどビザはおりる

 日本に戻ってくることが確実な人ほど、ビザがおりやすいわけですから、日本とのつながりが希有な人はなかなかビザ申請が難しいのです。なぜなら非移民ビザはいつか、自国に戻ることを前提として発給されるわけですから、帰る場所がないとビザを給付するのに躊躇するのですね。これは日本でも、対外国人で同じように扱っています。

しかしながらケースバイケース

やっかいなのは、各人各様であって、何がすっぽりはまるかわからない点です。この点、大使館・領事館の裁量は広汎ですので、不安であればプロに助言を求める方がよいかもしれませんね。
 私も経験上、申請書と申請内容を見れば、だいたい何が足りないかがわかります。すべてをここで披露してしまうのは、紙面も足りないですし、私の飯のタネを全部明かすわけにはいきませんので、だいたいの指針を考えておきましょう。

押さえておくべき主なポイント

 まず、本当に「この人帰ってくるのか」というポイントで大事なのが、帰る「場所」があるかですね。日本で家を持っているか、マンションを持っているのか、という点ですね。自分で持っていなければ、家族の家に戻れるのか、はっきりさせて、書類を出すと良いと思います。

 次に家族と職場です。家族が日本に残っているのであれば、ビザはおりやすいですね。帰国する意思がみえますから。また、職場でも、帰国したら復帰するということを書類等で示せれば強いですね。一旦休職や辞職をしたとしても、帰国と同時に復職、また再就職する形の書類が整っていれば良いと思います。

 それから、アメリカでも、招待レターがあるかがポイントになります。アメリカ側のコンタクトがあると、その人や会社が、滞在期間に関してレターを書いてくれるとプラスになります。ただ、アメリカ側のコンタクトが婚約者であったりすると逆効果になりますので、注意してください。

また、滞在の目的がはっきりしていると良いです。すなわち、滞在する目的のエンドが見えていると、ベターということになります。

以上で簡単なポイントをご紹介しました。これらの点に気をつけてくださいね。

また次回新しいトピックを考えていきましょう。


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作成者: jinkencom

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