H-1B非移民ビザ関係のニュース

April 08, 2006




 
日本では新入学生、新社会人が誕生する桜咲く季節ですが、なぜ4月1日から新「年度」となったか、皆さんご存じですか。江戸時代においては、1月から12月を一年としていました。いろいろな国では今でも1月がすべての行事のはじまりというところも多いのが事実です。日本では明治政府の財政がうまく帳尻が合わず、暦年と合わせることができなくなってしまいました。そこで、「年度」という制度がつくられたのです。明治19年に現在の4月から翌年3月までという制度ができたようです。「年度」という言葉を私もHビザの発行時期に合わせて使っていますが、こういった歴史があるのですね。
2007年度分のH-1Bビザの申請がこの4月1日に解禁されました。2007年度分、65000件の新規発行分がどの程度早い時点で埋まるのか、今年も注目されています。多くの雇用者、雇用されたい外国人が4月1日に向けてすでに申請書類を用意していたのが、現実です。移民局の発表では解禁された最初の二日間で受領した申請件数は前年とほとんど変わりがないという状況の様です。去年のペースでいくと8月の頭には上限発行数に達してしまう可能性があります。
H-1Bビザの申請について、最近、移民局はわざわざいくつかの注意点について通達をだしました。申請書類を作成する際に、弁護士も申請者も気をつけなければいけないポイントだと思います。今回の移民局の通達は実在する法令に基づいているので、目新しいポイントではありませんが、ここで考えておきたいと思います。なお、申請書類に疑義のポイントが生じる場合、移民局は追加書類の提出を求める可能性があります。そうすると、更に申請のプロセスにおいて時間がかかるので注意が必要です。
不必要な遅滞を減らすため、申請の際、以下のポイントに気をつけていきたいところです。まず、8 CFR 214.2(h)(2)(B)という条文についてですが、外国人が雇用された場合、どの場所で働くのか、また働く期間はどの程度なのか、記述をする必要があります。特に、複数の場所で雇用される場合には、記述をすることが要求されます。この要件は、以前、安い賃金で外国人を雇うという移民法の潜脱が行われた事件が複数回起きていたことがあり、このことを踏まえて、移民局が厳しく吟味するようになった経緯があります。たとえば、コンピュータの技師で、雇用主の客先などで働く場合には、その客先の住所等も記述しなければならないことになっています。
もう一つの大事な要件は8 CFR 214.1(c)(4)という条文に記載されています。この条文はH-1B非移民ビザをすでに保持している外国人が雇用者を変更する場合に適用されます。すなわち一旦H-1BビザがAという雇用者をスポンサーとして給付された場合、後にBというスポンサーに変更する時に適用されます。この条文によると、雇用主を変更する場合、以前働いていた雇用主(上の例で言うとA)とH-1Bビザを受けている外国人の間で賃金が支払われ、その対価として労働が提供されていたという事実を証明することが義務づけられています。実際の労働が行われていた事実を申請書に添付する必要があるのです。なぜ、このような証明
が義務づけられているかというと、最初の雇用主のもとで実際に働かないのに、ビザを取得し易いということで潜脱的に雇用主として使われていないかどうかチェックする目的があるからです。
上記二点はいくつもある要件の中の2つでしかありません。しかし、このようにHビザの申請にはいろいろな要件が課されていますので、申請書類を作成する際には注意が必要です。次回また移民法に関する時事のトピックを取り上げていきましょう。
それではまた次回まで、さようなら。


 
■ アメリカに合法滞在するにはビザ。その取得と更新から解放されるにはグリーンカード!
何と、アメリカは移民の国と言われているだけあって、毎年政府公式で、抽選で永住権が当たるプログラムを実施しています。
Momsでは、アメリカ抽選永住権の代行申請を通年受付中!
応募期間はあっという間…申請は年に一度ですから、チャンスを逃さずに!働く・学ぶ・子育てする…永住権はすべてができます。
http://momsusa.jp/dv-program

■ 弊社ご利用者様の声はこちらから
 
■ 最新の鈴木弁護士書き下ろしブログはこちらから。
メールのご登録だけで、毎月10日にお届けします。

作成者: jinkencom

jinkencom について JINKEN.COMの運営者であり、カリフォルニア州弁護士として活躍中の鈴木淳司弁護士のブログです。「移民法ブログ」では米国の移民分野についてホットな話題を取り上げて月に一度更新、「アメリカ法律ノート」は広くアメリカの法律相談に答える形で、原則毎週更新しています。なお、本ブログの著作権は著者に帰属します。 *たびたび法制度が変わりますので、最新情報をご確認の上、手続きされてください。