H-1Bビザ発行上限数に関する現状

September 16, 2004
アメリカの大統領選挙が近づいてきましたが、両者、足の引っ張り合いをしているのは、本当に閉口します。相手をけなしても自分が素晴らしくなるわけではありませんからね。空港の本売り場や家の近くの本屋さんに行ってもびっくりです。大統領選挙の足の引っ張り合いがそのまま本になっていて、ベストセラーとなっているのです。なんとなく日本に存在する減点主義っぽい感じがしてうんざりです。大統領が誰になるかは重要ですが、税金、イラク問題、教育問題、それに移民法の問題など、人々に影響する大きな問題がたくさんあるのですから、ちゃんとポリシーを明確にして、くだらない足の引っ張り合いでエネルギーを無駄にしてほしくないですね。皆さんは大統領選挙を追っていらっしゃいますか。
さて、今回はH1-Bビザの発行数に関する情報を皆さんにご提供して、Hビザ取得を考えていらっしゃる雇用主、被用者の皆さんの注意を喚起したいと思います。この2004年10月1日から2005年度分のHビザの新規発行枠が適用されはじめます。ご存じの方も多いかもしれませんが、この年間の新規発行枠は現在6万5千であります。
2004年度分のビザは今年の2月にすでに発行枠に達してしまっていて、その後働きたいと思っても、2004年の10月1日以降に働ける枠、つまり2005年度分の枠を利用して、申請をするしかありませんでした。能力のある方や、多数の外国人を雇いたいと思っている企業には本当に迷惑な話で、我々弁護士も、少ない発行枠のために随分苦労をさせられました。ところが、現在の予測でいくと、すでに2005年度分のHビザ申請枠が一杯になってしまう可能性がでてきました。早ければ、今年中に一杯になってしまうかもしれません。現在までに2005年度用のHビザ申請書を移民局が受理した数は、実に45900件にのぼりますので、あと2万件程度の枠しか残っていないのです。
どの程度外国人で、専門的な知識を持っている人をアメリカに入国させ、就労させるか、という問題は純粋に政治の問題だと思います。しかし、現在、工学、数学、コンピュータ系の大学院生の半分は外国人というのが、アメリカの現状ですから、アメリカとしては、外国人でも高度な専門性を持っている学生を雇いたいというのがアメリカの企業の本音な訳です。そういった角度から考えると、議会に対し、Hの枠を増やせという方向の運動があっても良いように思いますが、どのように議会が反応するのか、ある意味興味深いところでもあります。
また、H2ビザという季節労働ビザも存在するのですが、このビザも来年度の発行分が来年1月早々には発行上限数に達してしまうと考えられています。議会の対応に注目していきたいところですね。
また発行数の話がでてきたら、皆さんにご提供させていただきます。
では、また次回までさようなら。


 
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作成者: jinkencom

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