刑事事件証人用のUビザ


移民ブログ読者の皆さん、あけましておめでとうございます。
皆さんに とって、幸多き2016年でありますように、じんけん.com一同祈っております。
健康にはくれぐれも注意して、平穏な生活をお送りください。


Uビザ~アメリカ滞在の非移民ビザ
さて、今年最初の移民法関連の話題は、あまり聞き慣れないビザですが、Uビザという非移民ビザについて考えてみたいと思います。2009年からビザとして使われるようになりました。毎年度1万件の新規ビザの許可が上限数として設定されているのですが、近年では毎年上限数に達してしまいます2016年度も上限数が1万件に設定されています。
Hビザと違うところは、Uビザの申請者に対して、移民局はウェイトリストを設定し、年度が変わって発給が可能となると優先的に発給を進めるというところです。


刑事事件の被害者を救済するUビザ
Uビザは特殊なビザですが、国際化する犯罪を抑制し、また被害者が泣き寝入りするのを防ぐといった場面で活躍します。
Uビザを申請できる外国人は基本的に、誘拐、DV、脅迫、性的暴行、売春などの限定列挙された行為の被害者である必要があります。そして精神身体の問題を生じた被害者に特に発給されます。
外国籍の被害者というのは、米国から出てしまうと(逃げてしまうと)そのまま、戻ってくることが難しくなるケースが多くあります。したがって、警察行政側にしても、犯罪を訴追したいが、被害者の証言を録取できないという場面も少なからずあります。
実際に私もいろいろな事件を見ていると、証人が外国にいるといった場面では、少なからず事件進行にブレーキがかかりますし、裁判進行も難しくなることもあります。
アメリカにおいて不法滞在になってしまう外国人、そしてアメリカ国外にいる外国人でビザが必要な場合には、このUビザ申請が生きてくるのです。
 
Uビザ申請者とその家族
また、犯罪被害者であるUビザ申請者は、家族も一定の場合Uビザを申請することが可能になります。
Uビザは刑事事件で訴追する警察や検察に協力するために発給されるビザですが、米国滞在中に生活資金がなくてはなりません。そのために、Uビザが発給された外国人は、米国内で労働することも可能になるように設定されています。また、一定の条件を満たせば、Uビザ保持者は永住権の申請も可能となっています。
 
米国内で犯罪被害にあったとき
米国内にいる犯罪被害者については、警察や検察がUビザの申請をアシストしてくれます。何も法律事務所にお金を払って頼む必要はありません。営利を目的とする法律事務所は、あまりUビザのことを知りませんので、記事にもあまりならないと思います。
しかし、多くの日本人もアメリカに婚姻や就労などできている現状ですので、立場の弱い者を守り、刑事事件の遂行を可能にするために、このUビザというビザが存在することは周知したいところなのです。
私が関わった事件でも、米国籍の男性とアメリカに留学に来た日本人女性が結婚しました。学生ビザから永住権の申請を行うわけですが、その過程で家庭内暴力などがあり、「このまま黙っていないとアメリカに居られない」などと言われていたケースがありました。このようなケースでは泣き寝入りする必要はなく、充分に被害者はUビザの対象となります。
似たような事例で、就労ビザで米国に赴任している男性が家族に暴力を振るうなどというケースもあります。妻も子供もビザで滞在している場合、離婚をすれば妻は米国に合法的に滞在するステータスがなくなり、子供の就学にも影響がでます。こういった場合でも、Uビザ発給の対象になるわけです。
日本人はおとなしい人もいて、泣き寝入りをするケースはいくつもあります。
もちろん、友人や家族に相談することも一つのアイディアですが、行政に相談する道筋を設け、被害者保護も充分に連邦移民法は考えていることを覚えておいてください。
 
以上がUビザの概要と現状についてです。
普段は出てこないタイプのビザですが、困った時に使えるビザのオプションとして、覚えておかれると良いと思います。
 
2016年一年、じんけん.comのスタッフ一同がんばりますので、どうか宜しくお願いいたします。
皆様にとって幸多き年になりますように。
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作成者: jinkencom

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