H-2Bビザ~米国で働くためのオプション

 




 
アメリカの就労ビザ
当ブログでも以前から何度も取り上げていますが、外国人が米国において就労しようとする場合のメジャーなビザはH-1Bビザです。このビザは大学卒業程度の外国人を対象にして発給され、いわゆる新入社員や中途採用に利用されています。このビザは新規発給枠が政府により決められていて、最近では毎年新規発給枠を大幅に超える申請があるため、抽選で選ばれる事態になっています。米国としても自国民の就労を優先したいところですので、この枠の撤廃は考えられず、また枠の拡大も現在では話題になっていません。過去には一時的に枠の拡大があったのですけどね。
したがって、現在外国人が米国で就職するには、適当なビザがないために不安定な状況に置かれている方も少なくありません。
H-2Bビザとは?
H-1Bビザに代替できる二の矢三の矢をご紹介してきましたが、今回は、H-2Bビザという種類のビザを考えてみたいと思います。
H-2ビザというと、農業に従事する人たちに発給されるビザというイメージもありますが、人出が足りない分野では、農業にかかわらない外国人にも発給されるビザです。これをH-2Bビザと呼びます。
H-2Bビザの要件~H-1Bとの違いは?
H-2Bビザが発給される条件としては、H-1Bビザと似ている部分もたくさんあります。すなわち米国でスポ ンサーとなる団体や組織がI-129というフォームにより申請をします。ですので、申請に必要な情報や書類は他のHビザとあまり違いはないようにも思えます。
しかし一方で、H-2Bビザというのは、米国において労働力が足りない分野における外国人雇用を念頭においているビザなので、申請に際して、以下のような事情が考慮されます。
まず、米国民の 労働力が不足している分野であることにつき、資料を持って説明しなければなりません。
次に、かりに外国人を雇用した場合に米国民の賃金および労働条件に影響しないことを示さなければなりません。
そして、外国人が就労するポジションは一時的なポジションであり、恒久的に雇用するものではないことを示さなければなりません。一時的なポジションであることを示すためには、一時的に会社や組織における仕事の増加を示すことが考えられます。また、一年を通して一時的に仕事が増加する場合も考えられます。会計士の仕事などそのような性質を持っているのかもしれませんね。
このようにある程度、H-2Bで外国人を雇う必要性があるのだ、ということをうまく強調することが必要になってきます。申請書を提出する際に常に考えておくべき内容だと思います。
加えて、H-2Bビザの発給の前提として、H-1Bビザのように労働局申請が必要になります。賃金が不当に安い高い、といった状況を避けるための安全弁といったところでしょうか。
I-129を移民局に提出する前段階として、労働局申請の際に上記ポジションを緻密に設定することで、H-2Bビザの申請についての要件を満たしていくということになります。
H-2Bの発給枠は?
H-2BビザはH-1Bビザに似ていて、毎年の発給上限数が決められています。2014年現在、一年間で66,000件となっています。そして、一時的な側面がH-1Bビザに比べて強調されているビザですので、各年度の上半期(10月1日から3月31日まで)に33,000件、下半期(4月1日から9月30日まで)に33,000件を発給上限数としています。
ただし、H-1Bビザに比べて利用されることが少ないため、2014年現在でも上限数に達してはいません。ですので、H-2Bビザを一時的に利用して、米国に合法滞在するには、有用な方法論かもしれません。
もちろん、H-1Bビザのように長期に就職をするための目的ではありませんが、ひとつのオプションとしては考えてみてはいかがでしょうか。
次回、また新しいトピックを考えていきましょう。寒くなっているので、風邪には充分に注意して過ごしていきたいですね。

作成者: jinkencom

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