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アメリカの会社との取引。契約違反の裁判は日本で?

法律ノート 第1212回 弁護士 鈴木淳司
May 11, 2020

 長年知っている親しい40代男性が末期がんであるというニュースが入ってきました。コロナで医療機関にもかなり負担が生じているようですが、このような時期に入院をしたり、治療をするのは誰にとっても容易でないことが想像できます。もうお見舞いにも行けない程度弱っているということも聞き、ショックを受けました。ご家族の気持ちを考えると、このようなパンデミックの異常事態だけでも辛いのに、そのなかでの更に辛い出来事です。心が痛いです。

アメリカの会社との取引。契約違反の裁判は日本で?

 「日本在住の者です。アメリカにいる中間業者に頼み、アメリカから物を輸入しているのですが、最近になり不良品が多いため、契約を打ち切ろうと思っていました。ところが、アメリカの業者から、裁判はカリフォルニアに来ないとできないし、法律もカリフォルニアの法律が適用されるといったニュアンスのメールが来ました。私の経営する会社は、中小企業でアメリカに支店などもありません。また、アメリカには遊びには行くのですが、仕事でアメリカに行くことはありません。こういった場合には、日本で裁判は起こせないものなのでしょうか」というものでした。

まずは契約書に沿って

 簡単な前回の復習をすると、契約書に規定があればその契約書に沿って適用される法律と、裁判をする場所が決まります。そして、契約書に規定がないようなケースでは、お互いの関係に密接に関連する場所が裁判をする場所になり、その場所を管轄する法律が適用されることになりそうですが、ケースバイケースです。

相手のビジネスを観察

 今回のケースのような事例において考えにくいですが、かりに契約書がなかったり、裁判管轄・準拠法の規定がなかった場合には、基本的に取引関係においては、相手方の所在地を基本に考えるのが適しています。

 しかし、そうすると、今回の相談では、わざわざ日本からアメリカに行って提訴しなくてはならなくなります。そこで、なんとか日本で提訴できないか、ということになります。

 まず可能性を探るために、相手のビジネスを知ることが重要です。
 かりに、日本と頻繁にビジネスをしているとか、日本に営業所や営業の人を置いているなど、日本との繋がりがどれだけあるのかが、一つ重要なファクターになります。

中間業者の存在は?

 そして、今回質問にある「中間業者」の行動も確認する必要があります。

 かりに、この中間業者が頻繁に日本に滞在しているなどという情報があると、中間業者に対しての訴訟も日本で考えられるかもしれません。

「送達」が可能か

 裁判をするには、単に訴状を裁判所に提出するだけでは足りません。訴状を訴える相手方に対して「送達」しなければなりません。送達というのは、相手方にどのような訴訟を提起して、何を求めているのか書いてある書類です。この送達というのはかなり訴訟において重要で、日本でもアメリカでも厳格なルールが定められています。訴訟をするのであれば必ず必要な行為です。

 この送達がなされてはじめて訴訟としては実質的なゴングが鳴るという感じです。

 ところが送達については相手方に直接手渡しするのが原則ですから、外国にいる人や会社に対して訴訟をする場合には、かなり翻訳などの手間がかかりますし、政府間で送達の取り決めをしている場合も多くありますので、色々な機関を通さなければならず時間もかかります。

 ですので、相手方の行動をよく確認して、日本に頻繁に滞在している場合には送達が日本国内で可能になることもあります。

管轄違いの申立て

 間違ってはいけないのが、送達があれば裁判は出来ますが、相手方は裁判管轄が不適当であるということで争うことは当然できます。
 この争いでそれなりに時間がかかることもありますので覚悟はしておかなければなりません。うまくいけば裁判管轄が認められることになりますが、負ければアメリカで裁判をしなくてはならなくなりそうです。

手を組む会社はないか

 とにかく、相手方がどの程度日本とビジネスなどのつながりがあるのかを先行して確認しておくことが重要です。また、他に似たような不良品を多く見つけて不満を持っている業者などと情報を共有することも重要です。かりに、一社だけではなく数社一緒になるとそれなりに力にもなると思います。

 今回いただいている質問への一般的な考えは上記の通りですが、何か他にも類似の質問があれば、ぜひ法律ノートに質問をされてください。

 まだまだシャットダウンは続いていますが、心身ともに健康に留意してまた一週間がんばっていきましょうね。


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